【シックスセンス】の作品情報(スタッフ・キャストなど)
シックスセンスはM・ナイト・シャマラン監督による、1999年公開のホラー映画です。
精神科医マルコム・クロウ役は「ダイ・ハード」などでお馴染みのブルース・ウィルス、幽霊が見える少年コール・シアー役をハーレイ・ジョエル・オスメント、マルコムの妻アンナ・クロウ役を映画「ゴースト・ライター」のルース・ラング役で有名なオリヴィア・ウィリアムズが演じています。
このほか少年コールの母親リン・シアー役はトニ・コレットです。
あらすじ解説
小児精神科医のマルコムは、愛妻のアンナと幸せに暮らしていましたが、かつて担当しながらも救うことができなかった患者ヴィンセント・グレイが突如自宅に現れ、銃で撃たれてしまいます。
その後傷は癒え一年が経過しますが、夫婦関係はすっかり冷えきってしまい、マルコムはアンナに無視され続ける日々を送っていました。
そんな折、悩みを持つ少年コールと出会ったマルコムは、コールの心を救うことがヴィンセントへの罪滅ぼしになると同時に、夫婦仲を回復することに繋がると考え、コールとの接触を図ります。
最初コールは無視をしていましたが、熱心なマルコムの態度により徐々に打ち解け合い、遂に幽霊が見えることやそれを周囲に言えず悩んでいることを打ち明けます。
その話を聞いたマルコムは、コールの心の闇が幻覚を見せているのだと考え、心の闇を取り去るべくコールに寄り添っていましたが、あるカセットテープに録音されていた音声により、人間では無い別の何かの存在を信じ始めます。
そんなある日、コールの元に一人の女の子の幽霊が苦しそうな表情で現れます。
恐怖に怯えていたコールですが、助言に従い何故自分の前に突如現れたかを聞き出し、女の子の幽霊の願いを聞き入れるとともに、後日その女の子の自宅へバスで向かいます。
その家では女の子の葬儀が執り行われており、コールとマルコムが2階の部屋へと上がって行くと、女の子の幽霊が再び現れ1本のビデオテープを渡されます。
ビデオテープを託されたコールはそれを女の子の父親に渡し、父親がビデオテープを再生したところ、ビデオテープには母親が女の子の食事に有毒の洗剤を入れる場面が映しだされていました。
その後コールは幽霊が見えることを自分の母親に告白し、心に抱えていた悩みを解消しますが、マルコムと会うことも無くなるため、別れ際に奥さんが寝ている時に話しかけるよう助言します。
マルコムが家に帰るとアンナは結婚式のビデオを再生したまま寝ていましたが、自分の指にあるはずの結婚指輪が転がってきたことで、自分が既に亡くなっていることを悟ります。
寝言でマルコムの死を嘆くアンナに対し、これからの事を憂う必要は無いと最後に別れを告げ、向こうの世界へと旅立っていきます。
みどころのポイント
映画「シックス・センス」の最大の見どころは、マルコムがヴィンセントに銃で撃たれる最初の場面です。
マルコムは血を流して倒れますが、生死がハッキリしないまま一年後の場面へと推移するため、あたかも一命を取り留めたかのように見えます。
しかし実際にはこの時に生命を落としており、マルコムは幽霊として少年コールのカウンセリングを行っています。
少年コールが幽霊が見えるという設定もポイントとなっており、コールはマルコムが幽霊と知りながら対応しているため、最初は半ば無視するなど冷たくあしらいます。
しかしマルコムが他の幽霊と違うことを悟ったコールは、自分を救ってくれる存在だと信じるとともに、子供ながら自分がマルコムを救う存在であることも理解しています。
アンナがマルコムを無視しているのも、二人の関係が事件によって不仲になったわけではなく、単に幽霊となったマルコムの姿が見えないのが原因ですが、最後のシーンまではわからないため、映画の視聴者は二人が不仲になることが自然な成り行きと錯覚するような作りとなっています。
最後の場面では、仲違いしているはずのアンナが幸せの絶頂である結婚式のビデオを見ながら寝ていますから、最後の最後に全ての種明かしをするという趣旨を窺い知ることができます。
シックス・センスには他にも多くの見どころがあり、例えば女の子の幽霊の葬儀の場面では、母親が赤いスーツで参列しています。
これは代理ミュンヒハウゼン症候群の特徴とされ、周囲の同情を買うことを目的として、家族など身近な人間を傷つけるもので、子供の葬儀に一人だけ赤のスーツで参列する様は、ある種の異常性を提示しています。
人間ドラマ以外にも、コールが友人の家のいわくつきの部屋で出くわす現象や、母親と車で移動中事故に遭遇し、幽霊となった女性の姿を目撃するなど、この映画本来のホラー映画としての魅力も見どころの一つです。
このようにシックス・センスにはホラー映画としての要素だけでなく、家族や夫婦の愛情を絡めた感動のストーリーを含んでいるほか、物語の途中には多くの伏線が張られているため、視聴するたびに新たな発見がある、見どころの多い内容となっています。