【天空の城ラピュタ】の作品情報(スタッフ・キャストなど)
「天空の城ラピュタ」はスタジオジブリ制作の長編アニメーション映画です。
数多くの名作を生み出してきたスタジオジブリが初制作した作品で、現在でも多くの年代の人に愛されています。
初めて上映されたのは1986年で、監督は宮崎駿です。
ラピュタはスウィフトの「ガリヴァー旅行記」に登場する空を飛ぶ島にある王国「ラピュタ王国」からヒントを得て作られ、物語の世界は19世紀後半の産業革命期のヨーロッパをもとにしています。
あらすじ解説
鉱山で働く少年パズーはある日空から降りてきた少女シータと出会います。
シータが空から降りてきたとき、胸元に光っている青い石が光り輝いていたことからパズーはその青い石「飛行石」に興味を持ちます。
しかしそれをパズーが身に着けたところで石は働かなかったためこれはシータだからこそ働いたのだということを知ります。
そんな謎の少女シータは空から降りてくる前政府の特務機関に捕らえられておりその飛行船から落ちたと言うのです。
なぜ捕らえられていたのかという謎を抱えたままではありますが、困っている少女を放っておくことはできずパズーはシータを守ることを決意します。
シータの持つ飛行石は非常に価値があるものであり、それを狙うのは特務機関だけではありませんでした。
同時に盗賊たちにも追われ様々な危機を迎えながらもパズーは必死にシータを守ります。
しかしその努力も虚しく2人は特務機関に捕まってしまい、パズーは牢に閉じ込められます。
シータは特務機関を指揮する大佐であるムスカに「我々に協力をしてくれればあの少年は解放する」と言われシータはその話を承諾することにしました。
シータが特務機関に協力をするということでパズーは解放されます。
1人の少女を守ることができなかった悔しさと自分の無力さにいら立ちを覚えながら自宅に帰るとそこはシータを追っていた盗賊たちに占拠されていました。
盗賊のボスであるドーラは飛行石を奪いに行くというのでそれに同行させてほしいとパズーは頼み込みます。
そうしてシータは再びパズーのもとに戻ることになりました。
盗賊の一味に仲間入りした2人は一緒に飛行船に乗り伝説と言われる空に浮かぶ城「ラピュタ」を目指します。
シータの持つ飛行石はその位置を示しており、結果的に盗賊の一味も特務機関もラピュタにたどり着きます。
ラピュタの王位継承者であるシータに対し、ムスカも自分がラピュタ王の末裔だということを明かします。
そしてラピュタの力を使って軍の兵隊たちを海に落とし力の悪用をし始めます。
それを見たシータはいてもたってもいられずムスカから奪われた飛行石を取り返し、二度とラピュタの力を悪用されることがないようにパズーとともにラピュタを滅ぼす覚悟を決めます。
みどころのポイント
不思議な石の力によって空から降りてきた少女が一体何者なのかということも分からず、善意を尽くすと言うのは難しいものです。
しかし困っているシータを放っておくことができず体を張って守ったパズーはとても強い少年だと感じさせてくれます。
同じ鉱山で働く親方やおかみさんなど様々な人の助けをもらいながらシータを守っていきますが、力が及ばず特務機関に捕らえられてしまいます。
牢の中で目を覚ましたパズーは絶望的な状況に置かれながらも諦めずに脱出をはかります。
そうしてやっと牢を出ることができたときにはシータに「私のことは忘れて」と別れの言葉をつげられたときの辛さは1人の少年には重いものがあるでしょう。
ムスカ大佐にお金を握らされ「男なら諦めろ」と言われたのは追い打ちをかけられたように脱力してしまっているパズーの姿からは絶望すら感じさせます。
欲しくもないお金を握らされてしぶしぶ自宅に帰る最中、パズーは転んでしまいます。
手の中からこぼれたお金を拾い上げて地面に叩きつけようとしたけれど思いとどまった姿は男として大切な少女を守ることができなかった不甲斐なさと無力さに腹立たしさを感じている1人の男の姿でした。
葛藤があまりにもダイレクトに伝わるので見ている側にも切なさを感じさせます。
その後シータを追っていた盗賊に協力をお願いしますが、そこでは男として決意を固めたパズーの真剣な表情と、その決意を受け止めたドーラの表情が1つの信頼関係を生み、パズーが1歩大人の階段をのぼった素敵なシーンです。
守られるばかりだったシータも、パズーと盗賊の人々と接していくうちに強くなっていきます。
そうしてラピュタについた後も王位継承者として兵器並みの力を持つラピュタを存続させるのは危険だと判断し自ら滅ぼす覚悟を決めます。
パズーとともに滅びの呪文を唱えるシータの姿はもう弱い少女ではありません。
少女を守ろうとするパズーの成長だけではなく守られてばかりいた弱い自分から強い自分へと変わっていったシータの成長も大きな見どころです。
2人の若者に感化されて行動を共にする盗賊たちも徐々に改心されていきます。
次第に2人のために行動をするようになっていく彼らの優しさにも注目したいところです。