【チャーリーとチョコレート工場】の作品情報(スタッフ・キャストなど)
「バットマン」や「バットマンリターンズ」「スリーピーホロウ」などの数々のヒット作を監督したティムバートンが監督し、ミュージシャンであり俳優としても「パイレーツ・オブ・カリビアン」など多くの作品で個性的な役柄を演じてきたジョニー・デップが主演したファンタジーコメディに分類される作品です。
2005年に制作され、本国アメリカだけでなく日本、イギリス、オーストラリアなど世界各国で公演され話題となりました。
あらすじ解説
ウィリー・ウォンカ製のチョコレートは世界各国で愛され評判となっていました。
しかし、そこのオーナーをつとめるウィリー・ウォンカは変わり者として有名で、チョコレートを作る工場へ普段は誰も寄せ付けようとしませんでした。
しかし、人を寄せ付けようとしなかったウォンカは突如販売するチョコレートの中に金色のチケットを入れたものを5枚同梱しそのチケットを手にしたものに工場を見学する権利を与えると周知しました。
しかもそのうちの一人に誰にも想像でかないようなプレゼントを渡すというのです。
世界中がどよめきに包まれる中、作品タイトルにもなっているチャーリーを含めた5人の子どもたちが運よくチケットを手にします。
かくして5人の子どもたちはチョコレート工場に赴くことになります。
工場の中で起こっている出来事は子どもたちにとって不思議かつ衝撃的なことばかりでした。
工場の中では人間がチョコレートの生産にかかわっておらず、ウンパ・ルンパという人間と似ているが異なる小人のような生き物が行っていました。
このウンパ・ルンパはほとんどが同じような顔をしていて見分けがつかないほどです。
夢のような不思議体験をしながら子どもたちの一人は川に落ちてしまったり、また一人は穴に誤って落ちるなどして脱落者を出していくことになります。
最終的に残ったチャーリーに対してウォンカはプレゼントを与えようとするが、プレゼントを与えるのに「家族も含め、すべてを捨てて工場へ来ること」という条件を付与します。
ウォンカはチャーリーをチョコレート工場の後継者にしようと考えていたのでした。
しかし、家族を大切にしているチャーリーはこれを断ることにしました。
それを聞いたウォンカは驚き、落胆した様子を見せます。
その後、チャーリーは元の貧乏な生活をしながらも家族たちと幸せに暮らしていました。
チャーリーを諦められないのか、ウォンカは変装をしてチャーリーに会いに行きます。
そこでウォンカが父と上手くいっていないことを知ったチャーリーは、ウォンカと父が仲直りするよう尽力します。
ウォンカとその父とのわだかまりを解消したチャーリーはウォンカから再度工場のことを頼まれます。
チャーリーはそこで逆にウォンカが家族になるなら引き受けることを条件とします。
ウォンカはこれを受け、チャーリーとウォンカは家族となりました。
みどころのポイント
この作品のみどころはまずは何といってもウィリー・ウォンカ演じるジョニー・デップのコケティシュかつコミカルな演技でしょう。
衣装やメイク、世界観も独特でこれだけでも十分に楽しめますが、ジョニー・デップの不思議な表情や動きがこれに拍車をかけて面白いものにしています。
奇妙な化粧をして、家族とのわだかまりからくるのかとっても皮肉屋でひねくれもので、世界中から好まれ愛されるチョコレートを生産しているのに孤独感を常に漂わせているウォンカを好演しています。
めまぐるしく動く表情や身体の動きを見ているだけで飽きることがありません。
また、この作品のジャンルはファンタジー・コメディでミュージカル調で物語が進展していくところに特徴があります。
ウンパ・ルンパという不思議な生物が工場で働いているのですが、この不思議な生物が物語の要所要所で様々な曲を歌い、また踊ります。
動きを見ているだけで和みます。
ミュージカルが好きな人ならきっと満足できる内容といえるのではないでしょうか。
そして、何といっても家族を大切にすることを基調としたストーリー展開に心が和まされるところでしょう。
ストーリー展開自体はほとんどの人にとって分かりにくいようなところはなく、先の展開も読めますが、最初から最後まで家族の理想的な在り方を問う内容が魅力的でしょう。
家族に大切にされて育ち家族も仲間も大切にしようとするチャーリーと、家族とのわだかまりを抱え家族に対して不信感を抱きそれが影響しているのか家族以外の他人に対しても懐疑的で皮肉に満ちた言動を繰り返すウォンカの言動を対比するようにしてストーリーは進んでいきます。
ウォンカが皮肉屋で基本的には他人をあまり受け入れず寄せ付けないような言動をするのは家族、とりわけ父親とのわだかまりが存在するからでした。
家族から大切にされ、また、家族を大切にしようとする子どものチャーリーが大人であるはずのウォンカとウォンカの父親との間のわだかまりを解こうとしてそれに成功したと思われる部分。
そして最後にはウォンカを家族にまで迎えようとする部分。
家族の在り方を終始考えさせます。
見ているときも見終わったあともしばらくは温かい気持ちになれるストーリー展開は大人であってもきっと楽しめるでしょう。