【スパイダーマン3】の作品情報(スタッフ・キャストなど)
「スパイダーマン3」はサム・ライミ版スパイダーマン3部作の最終作品として、2007年に制作されました。
主人公ポーター・パーカー役のトビー・マグワイアとヒロインメリー・ジェーン・ワトソンのキルスティン・ダンストは前2作から続投し、スパイダーマンとのライバル関係にあるハリー・オズボーンも同じくジェームズ・フランコが続けて演じています。
主要な登場人物を安定した布陣で固め、新たに物語に関わるサンドマンとヴェノムというスパイダーマンおなじみの強敵が満を持して登場しています。
あらすじ解説
スパイダーマン3ではスパイダーマンは序盤から活躍し、市民から必要とされる存在として認められています。
ピーター・パーカーは恋人であるMJとの関係も順調で、学業の方も上手く行っていました。
そんな中でピーターの叔父であるベンを殺して服役していたフリントが脱獄し、電子分解実験場へと足を踏み入れ運悪く実験に巻き込まれてしまいます。
そして彼は砂の身体を手に入れたヴィラン・サントマンへと姿を変えるのでした。
スパイダーマンにはサンドマンより早く、友人であったハリーがニューゴブリンとして襲いかかります。
父を殺された復讐としてスパイダーマンに襲いかかるハリーは、戦闘中のダメージのよって記憶を失います。
MJへの心の行き違いによってプロポーズを失敗してしまったピーターのもとに、宇宙の彼方から飛来した黒い物質生命体・シンピオートが取り付き、スパイダーマンをブラックスパイダーマンへと変化させてしまいます。
力が強力である反面宿り主の性格に影響を及ぼすシンピオートによって凶悪な性格となり、記憶を取り戻したハリーの顔に傷を付けるにまで至ってしまいます。
そしてスパイダーマンだけでなくピーター側にも敵が現れ、記者であるブロックは捏造記事によってスパイダーマンの悪評によって社員の地位を手に入れようとしますが、この謀略はピーターの手によっていとも容易く見破られブロックは出版社を追放されます。
しかし彼との関係はそこでは終わらず、スパイダーマンの正体がピーターであると見抜いたブロックにシンビオートが飛び移り寄生してしまいます。
ヴィラン・ヴェノムへと姿を変えたブロックは、同じくヴィランであるサンドマン・フリントと組んでスパイダーマンへと襲いかかります。
MJをも巻き込んだ最終決戦はスパイダーマンとハリーの共闘によって辛くも勝利しますが、ハリーはスパイダーマンの身代わりとなって深手を負ってしまいます。
叔父を殺してしまったサンドマンを許すと彼は砂になり、ブロックはシンピオートに執着するあまり爆発に巻き込まれて最後を迎えました。
ハリーもまたピーターに看取られながら息を引き取ります。
そしてハリーの墓前でピーターは「選んだ道によってその人の生き方が決まる」と自分に言い聞かせて、物語は幕を閉じます。
みどころのポイント
スパイダーマン3において最も魅力的なのは、登場する悪役の豊富さです。
アメコミにおいてヒーローに負けず劣ららない人気を誇るヴィラン達ですが、続投のニューゴブリンに加えてサンドマンとヴェノムと合わせて3体ものヴィランがひとつの作品に詰まっています。
特にスパイダーマンをそのまま悪へと落としたような風貌をしたヴェノムの人気は非常に高く、ゲームなどの作品にも多く取り上げられる程でしたが、最終作の3に満を持しての登場となりました。
サンドマンは身体を砂に替えられるだけでなく砂を用いた嵐などの攻撃を繰り出し、ヴェノムはその弾力性のあるタールのようなシンピオートを伸縮自在に操って攻撃します。
物を殴る度に飛び散るサンドマンの砂の身体や触手のように伸びるシンピオートの浸食を表現するために、多額の予算がつぎ込まれています。
その甲斐あってこの作品の映像美のクオリティは非常に高いものへと仕上がっているため、一見の価値があります。
この映画における原作のリスペクトはヴィランの再現度だけではありません。
人間関係においても原作でピーターが最初に愛した女性グウェンがブロックの彼女として登場しています。
そしてスパイダーマンとしてだけではなくピーター・パーカーという人間としてして付き合ってきたMJとのラブストーリー的側面にも目を向けなければなりません。
こちらも3部作をかけてようやく衆着地点へと向かいます。
そんなスパイダーマン3の評価ですが、本場アメリカにおいては2007年の興行収入の一位を記録した他一時は歴代興行収入のトップを維持するまでの記録を残すまでとなっています。
またこのスパイダーマンシリーズは日本での人気が非常に高いため日本でのプロモーションに力が入れられ、サム・ライミ監督本人が来日するワールド・プレミアなどのイベントが開催されました。
興行収入も前二作を大きく上回ってシリーズ歴代一位を誇り、有終の美を飾る結果となりました・シリーズの最終作という立ち位置を担っている本作品は、ヒーローものにおけるヒーローの悪堕ちやライバルとの共闘に人間関係とヒーロー両方での強敵の魅力が数多く詰まった非常に豪華な仕上がりとなっています。