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映画【ユナイテッド93】の評価・あらすじ

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【ユナイテッド93】の作品情報(スタッフ・キャストなど)

ユナイテッド93はアメリカのアクション映画です。

911の連続同時多発テロ事件を題材としています。

ユナイテッド93の監督を務めたのはポールグリーングラス監督。

イギリスの監督です。

キャストはこれといって有名な俳優を使っているわけではありません。

テロリストのリーダーを演じたのはハリドアブラダ、飛行機の基調を務めたのはJJジョンソンです。

どちらもメジャーとはいいにくい俳優で、このほかのキャストもほとんどが無名の人を起用しました。

あらすじ解説

物語は2011年の9月11日、ニューアーク空港から始まります。

他の乗客たちが普通に搭乗手続きを済ましているなかで、イスラム系の男性が何か気にしているような素振りをしています。

同じ頃、アメリカの飛行機は次々とハイジャックされていました。

ユナイテッド93便は予定より30分遅れて出発します。

ハイジャックされた飛行機はワールドトレードセンターに激突し、ほかの飛行機も次々と予定の航路から外れて、管制塔は大慌てになっていました。

ユナイテッド93便にも警告が流されようとしたころ、ハイジャック犯たちが突如として動き出し、飛行機を占拠するのです。

ハイジャック犯は体に爆弾をくくりつけ、一人は刃物をもって乗客を脅しつけます。

そしてコックピットに乱入しパイロットに進路変更を命じます。

管制塔ではテロリストによって何機の飛行機が占拠されたのか監視中でしたが、ユナイテッド93機が予定の進路を外れたことで、占拠されたことを知ります。

その頃、乗客はテロリストたちに脅されながらもテレビ映像を見たり、連絡を取っていたりしたことで、このハイジャックは1機だけではないこと、またすでにワールドトレードセンターに突っ込んだ飛行機があることなども把握します。

ついに乗客たちはテロリストたちに立ち向かうことを決意するのです。

同じ頃、管制塔や軍では自爆テロを防ぐために戦闘機も出撃します。

いざとなれば乗客もろとも攻撃する可能性が出てきました。

乗客たちはナイフやフォークを隠し持ちます。

そして目標地点まで20分というところで、ついに飛行機のなかで戦いが始まりました。

テロリストのひとりが後ろを向いたすきに乗客が飛びかかります。

そして爆弾を確保すると、それが偽物だったということが判明しました。

コックピットにいるテロリストは異変に気づきます。

そして乗客を近づけさせないために操縦桿を縦に倒したり横に倒したりしながら、乗客を近づけさせようとしません。

しかし、乗客はよろめきながらも操縦席にたどり着き、ついに乗客とテロリストの戦闘が始まりました。

テロリストは最後の抵抗として自爆するために操縦桿を倒して、高度を下げにかかります。

そうはさせないと乗客も操縦桿を奪おうとします。

そして飛行機は高度を下げていき、地面にぶつかる寸前、画面が真っ暗となって映画は終わるのです。

みどころのポイント

ユナイテッド93の魅力を一言で表現するなら、圧倒的なリアリティ表現にあるといえます。

あえて知名度の低い人を起用することで、実際の事件であるユナイテッド機の事件がより真実味を増すような効果を狙ったのです。

有名な俳優を使うことが多いハリウッド業界で、このは賭けでしたが、監督の賭けはうまく成功しました。

また、映画のリアルさの追求のため、客室乗務員役などは実際にその職業の経験者を起用したというから驚きです。

そして、この細部へのこだわりがアメリカ全体を巻き込んだ大きな議論の呼び水となりました。

この映画は現実の事件を元にしたフィクションです。

映画を制作するうえで可能な限り事件の資料を調べたとあって圧倒的なリアルが画面に生かされていますが、これがあまりにリアルだったため、この映画で起きたことを現実のものだと受け取ってしまう人が多くいました。

ただ、事件の資料から分かっているのはユナイテッド93機がハイジャックされたこと、そして目標に到達する前に墜落したこと、この2点です。

映画で描かれるような乗客や添乗員たちの英雄的な行為があったかはわかっていません。

この映画は飛行機が墜落したことで、テロリストたちが目的を達成しなかったのには、映画で描かれるような英雄的な行為があったのだ、といわば仮定として描いているにすぎません。

しかし、それがあまりにもリアルだったため観客はそれを事実だと受け取ってしまったのです。

もちろん仮定のことを事実のように描くのはいかがなものか、という議論も巻き起こりました。

ただ、これは映画の力を示しています。

アメリカでは何か大きな事件が起きると、それをすぐに映画化したりドラマ化する傾向がありますが、ユナイテッド93はそこに現実とフィクションを混ぜ合わせるような演出をすることで、悲惨なテロのなかでも懸命に人が戦ったことを示したのです。

これは現実かフィクションかという議論を飛び越えてとても誠実な映画になっています。

ユナイテッド93機の事件は現実に起こったことは悲劇ではあるものの、映画を見終わったときに、何か勇気をもらえた気がする、そんなアメリカの力強さを感じられる映画だといえるでしょう。

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