【風の谷のナウシカ】の作品情報(スタッフ・キャストなど)
『風の谷のナウシカ』は宮崎駿監督のアニメーションです。
スタジオジブリの前身であるトップクラフト制作の映画として知られています。
プロデューサーを務めたのは宮崎駿監督の盟友である高畑勲氏。
主人公のナウシカ役は島本須美が務めました。
島本須美はジブリ作品の常連となります。
風の谷のナウシカには原作があって、宮崎駿監督が作成した同名のマンガが原作です。
映画はマンガの序盤といっていいところを映画化しており、原作とは少し内容も変わっています。
あらすじ解説
火の七日感と呼ばれる大きな戦争から1000年後の未来。
戦争の後遺症から大地は腐海と呼ばれる猛毒の正気によって汚染されていました。
腐海では大型の虫たちが生活し、人間の生活を脅かし続けています。
主人公ナウシカは風の谷と呼ばれる静かな谷で暮らしていました。
風の谷の人口は500人ほど。
ナウシカは谷の族長の娘です。
平和だった谷ですが、そこにトルメキア軍の大型船が墜落します。
隣国ペジテの奴隷をのせた大型船は、船の中に巨神兵の胎児も積んでいました。
さらには腐海の胞子を谷にもたらしたことで、ナウシカたちは胞子の焼却活動を強いられます。
次の日、トルメキア軍が軍隊が谷を攻撃し、父親のジルが他界しました。
トルメキアのクシャナによって風の谷は制圧され、ナウシカは人質になってしまいます。
ナウシカはペジテへ連れて行かれることになりますが、輸送する途中、ペジテの攻撃戦が飛行機を襲い、ナウシカはペジテのアスベルとともに脱出します。
しかし、脱出したのは腐海のなかでした。
ナウシカは王蟲に囲まれますが、王蟲と交信することで難を逃れます。
ナウシカはアスベルとともに腐海の深部へと向かいますが、猛毒のなかだと思われた深部では清浄な空気に包まれていることを発見します。
腐海は地球の大気を汚しているのではなく、空気を浄化していたのです。
この発見にナウシカは喜びますが、腐海を出ると、トルメキアとペジテの悲惨な戦争が行われたことを知ります。
そして、ペジテがトルメキアを倒すために王蟲を利用して風の谷を襲わせようとする計画も知るのです。
ナウシカはガンシップに乗って谷へと急ぎます。
途中、王蟲の大群が谷へ向かう姿を発見し、その向こうでは王蟲の子供が囮として吊るし上げられていることを発見するのです。
ナウシカは王蟲の子供を助け出すと、王蟲の大群に一人で立ち向かいます。
王蟲はナウシカに突進しますが、その後、ナウシカを治癒しナウシカは蘇りました。
王蟲の金色の触手のなかでナウシカが歩いている姿は「そのもの、蒼き衣を混といて金色の野に降り立つ」という予言のとおりでした。
かくして風の谷は救われ、トルメキアやペジテの戦いも一時休戦となったのです。
みどころのポイント
宮崎駿監督は今では国民的な作家です。
そんな彼がいちばん油ののっている時期に作られたのが風の谷のナウシカです。
古い作品ではありますが、ジブリアニメファンはもちろん、多くの人が楽しめる映画になっています。
キャラクターは非常に魅力的で、ナウシカの人気はいまも衰えていません。
ナウシカは虫や動物たちに対してまるで人間と接するようにあたたかく迎えます。
その姿は聖母のようです。
とくに、キツネリスと仲良くなるエピソードや王蟲との交信のシーンはアニメ史上屈指の名シーンといえます。
脇を固めるキャラクターも魅力的です。
トルメキアの軍人として登場するクシャナはナウシカとは違うタイプの女性ですが、非常に人気の高いキャラです。
男よりも凛としていて、冷酷な面も合わせ持ちます。
巨神兵に「薙ぎ払え」と命令するシーンは彼女の名言のひとつです。
ナウシカからユパ様と呼ばれるユパは凄腕の剣豪として登場します。
ガンシップのなかでの戦闘は、このアニメでもっともカッコいいシーンの一つと言えるでしょう。
巨神兵も忘れてはいけません。
この物語のキーであり、火の七日感には世界を焼き払ったといわれます。
巨神兵の実力は王蟲を薙ぎ払うところのプロトンビームで見せてくれますが、そのあとにドロドロと巨神兵が溶けていくシーンもあいまって強烈な印象を与えるキャラクターです。
風の谷のナウシカの魅力は深い世界設定にもあります。
科学技術文明が進歩していくと、この世界はどうなるのか、それを宮崎駿はアニメを通じて予言して見せています。
人間は自分の手に負えない技術を持ってしまうと、その力を持て余してしまうのではないか、そこで失われる生活というものもあるだろうといっているのです。
風の谷の穏やかな生活はある種の理想であり、トルメキアやペジテは過去の過ちを繰り返す存在として描かれています。
腐海という設定には猛毒の瘴気を吐き出すというマイナスの面と、地上の大気を浄化するというプラスの設定があるところも興味深いです。
アクションシーンが豊富で楽しみながら視聴できますが、登場人物のセリフや世界設定は非常に深く、何度も見てメッセージを確かめたい、そんな作品になっています。