【ダークナイト】の作品情報（スタッフ・キャストなど）
「ダークナイト」はアメリカンコミック「バットマン」を映画化した作品です。
ダークナイトトリロジーと呼ばれる3部作の2作目にあたり、映画はバットマンとジョーカー、トゥーフェイスの戦いを描いています。
監督を務めたのはクリストファーノーラン。
バットマンを演じたのはクリスチャン・ベイルです。
ジョーカーはヒースレジャー、トゥーフェイスはアーロンエッカートが担当しました。
そして、印象的なサウンドトラックを作曲したのはハンスジマーです。
あらすじ解説
物語は銀行強盗のシーンから始まります。
ピエロの仮面をかぶった銀行強盗たちは、銀行のロックを手早く解除していき、お客を人質に取っていくのですが、それぞれの役割が済むと、仲間の強盗から殺害されていきます。
一人またひとりと強盗は殺害されていき、最後に残ったのは口にひどい傷を負ったジョーカーでした。
ジョーカーは銀行強盗をやり遂げ、街に消えます。
場面は変わってバットマンが登場します。
バットマンはゴッサムシティを自警するヒーローです。
バットマンの活躍により、犯罪は大きく減っていました。
また、ゴッサムシティの検事は犯罪に関する法改正を進めており、この法案が通れば悪は根絶やしにできるかもしれません。
バットマンや検事の活躍により肩身が狭くなったギャング団が会議をしていると、そこにジョーカーが現れます。
そして自分を雇えというのです。
正体不明の謎の男であるジョーカーに最初は戸惑うギャング団でしたが、ジョーカーはその恐ろしさを発揮し、ついにはギャングの頭にウンといわせます。
さて、バットマンはゴッサムシティに現れた新たなヒーローである若い検事に期待を持ち始めます。
そしてバットマンの財力で支援しようと提案します。
ただ、検事はバットマンの元彼女と付き合っていました。
同じ頃、ジョーカーはギャングを完全に手懐けて、彼の狙いはバットマンや検事に向けられました。
警察にスパイを放ち、もしくは警官を脅すことで、ゴッサムシティの市長などを次々と暗殺します。
そして、謎の存在であるバットマンが正体を現さない限り、この暗殺は続くとビデオメッセージで予告しました。
バットマンは悩みますが、ゴッサムシティを守るために名乗ることを決めます。
そして記者会見の場で名乗ろうとした寸前、若い検事が「私がバットマンだ」と名乗ったことで、名乗り出るチャンスを逸してしまいました。
バットマンの正体を知る元彼女のレイチェルにはそれを非難されます。
さて、若い検事が名乗り出たのにはある秘策がありました。
自分がバットマンと名乗ることでジョーカーをおびき出し、一網打尽にするという計画です。
これはうまくいき、ジョーカーは警察に捕まります。
ジョーカーとバットマンは取調室でついに対面しますが、ジョーカーからレイチェルと検事を捕まえて爆弾を仕掛けた、どちらを救うか選べと告げられてしまうのです。
みどころのポイント
これが「ダークナイト」のあらすじとなります。
果たしてバットマンは元恋人と若い検事のどちらを選ぶのか、そしてジョーカーとの対決は、これは映画を見て確かめてもらいたいところです。
あらすじでも分かるようにこの映画は、はじまった瞬間から非常にスリリングな展開を見せます。
一本の糸がずっと張り詰めているように、映画が始まったら緊張の糸は緩むことがありません。
とくに最初の10分間であるジョーカーの銀行強盗シーンは映画史に残ると言われています。
この映画はアクション映画に分類されると思いますが、監督を務めるクリストファーノーランは、バットマンを人を殺さない主義の人間として描きました。
それは当然苦悩を生みます。
凶悪な犯罪者が跋扈しているなかで、この主義を貫くのは難しいからです。
そして今作の悪役はジョーカーと呼ばれるもっとも凶悪な敵です。
ジョーカーとそれを演じたヒースレジャーはもっとも新しい悪役として評論家から賞賛されました。
ジョーカーは口が裂けているのですが、なぜ口が裂けたのか作中で説明するシーンが3つあります。
それはどれもデタラメで、その場で思いついているのかもしれません。
つまり、ジョーカーには語るべき過去を持ちません。
人は恐怖に理由を求めます。
なぜなら理由がわかれば安心するからです。
どんな凶悪犯でも生い立ちや転落のきっかけが説明されれば、理由が判明して安心が生まれます。
だからジョーカーは口が裂けた理由をデタラメに話します。
決して理由を与えて安心させようとはしません。
理由のないものほど怖いものはない、という意味でジョーカーは新しい悪役像を生みました。
映画は大ヒットを記録します。
どれくらいのヒットかというと、ダークナイトは全米歴代第2位の興行収入を稼ぎ出しました。
この映画によってアメリカンコミック原作の映画はより一層注目されるようになり、現在のアメコミ映画ブームの下地となりました。
ただ、ヒットの裏で悲しい出来事も起こります。
ジョーカー役を演じたヒースレジャーが亡くなってしまいました。
まさに鬼気迫る演技を見せたことで、これが精神に影響を与えたのではないかという予測も出ました。
そのため、ダークナイトはヒースレジャーの遺作でもあります。
