【バウンド】の作品情報(スタッフ・キャストなど)
バウンドはウォシャウスキー兄弟が監督したアメリカ映画です。
ジャンルとしてはクライム映画やアクション映画に分類されています。
1996年に制作され、上映時間は1時間49分です。
ウォシャウスキー兄弟はこの映画の成功により、一挙にスターダムに上り詰めました。
またこの映画には後に監督作品の常連となるジョー・パントリアーノが悪役で出演しています。
主演を務めたのはジェニファー・テイリーとジーナ・ガーションです。
あらすじ解説
女ドロボウのコーキーは、5年の服役を終えて部屋の改装を手伝う仕事に従事していました。
ある日、アパートの隣りに住んでいる美女ヴァイオレットに水道の修理を頼まれます。
コーキーとヴァイオレットはお互いに一目惚れをし、すぐに愛し合うようになりますが、ヴァイオレットにはギャングの恋人シーザーがいました。
ヴァイオレットはシーザーから虐待を受けており、そんな生活が嫌になっていました。
そこで恋人がギャングから預かっている200万ドルを持ち逃げすることをコーキーに持ちかけます。
そしてコーキーとヴァイオレットは完璧な計画を立てるのです。
計画とは次のとおりです。
ギャングの親子がやってくる前に、コーキーが部屋に忍び込むことでお金を盗みます。
買い物から帰ってきたヴァイオレットはギャングの手下を見たと恋人に告げることで、そのお金が手下の盗んだものと思わせます。
盗む予定のお金はギャングのボスから預かっているお金なので、恋人は死ぬ気で手下を探すでしょう。
その間に二人は逃げてしまおう、という計画です。
完璧に思われた計画でしたが、シーザーは二人の予想に反した行動を取り、計画通りには進みません。
まず、二人はお金を盗むことには成功しますが、シーザーが手下と口論になってしまい、挙句の果てには手下を撃ち殺してしまいます。
そうこうしているうちにギャングのボスの到着が迫ります。
シーザーは手下の家に乗り込みますが、当然そこには200万ドルはありません。
なんの収穫もなく自宅に戻ってくると、二人が電話をしてやり取りしているところを発見されてしまいます。
シーザーに二人が共謀してお金を盗んだことが発覚してしまったのです。
これにより二人は拘束されてしまい、いよいよボスも自宅に到着します。
シーザーはボスをもてなすように見せかけて、殺してしまうと、その間にヴァイオレットとコーキーは脱出しました。
シーザーとコーキーは一騎打ちの形になり、劣勢となりますが、ヴァイオレットが引き金を引くことで、二人はついに退けます。
二人はやっと自由の身になり、200万ドルを持って新しい土地を目指して旅立つのでした。
これが映画「バウンド」の簡単なあらすじです。
みどころのポイント
息の詰まる攻防を楽しみたいのであればバウンドはオススメの映画になるでしょう。
ギャングからお金を持ち逃げするという計画自体が期待できますし、一転二転、そして三転していく展開は見ていてハラハラさせられます。
あらすじの通り、二人は絶体絶命のピンチに陥ってしまうのですが、そこからの展開は機転が効いており、思わずニヤリとさせられる展開です。
女性二人が愛し合っているという設定も現代的です。
今では、同性愛は珍しいものではなくなりましたが、1996年当時は映画でその役回りは珍しいものでした。
ある意味でこの映画は女性が男性から痛めつけられて仕返しをする映画です。
これにはおもしろいエピソードがあって、実はこの映画を監督したウォシャウスキー兄弟は、数年後に性転換手術をしてふたりとも戸籍が女性になりました。
今では二人はウォシャウスキー姉妹です。
その意味で、二人は女性の気持ちがよくわかっていたのかもしれません。
映画は低予算で作られたこともあり、物語はアパートの一室でほとんどが繰り広げられます。
同じ部屋に隠れていたり、見つかりそうになったり、はては隣の部屋の声が聞こえてきたりと、映画はこの設定をとても良く生かしています。
舞台が狭いこともあり、登場人物もまた少ないです。
主演の二人のほかにはジョー・パントリアーノが演じる悪役と、そのボスであるギャングの4人を中心に物語は進行していきます。
そのため、わざわざ登場人物を覚える苦労もなく、映画に集中しやすいことも魅力でしょう。
映画は低予算で小規模な公開となりましたが、ウォシャウスキー兄弟の名声はこの一本で一挙に高まります。
映画をとくに賞賛したのはロジャー・イーバートという映画評論家で、この人は全米一有名な批評家といっても過言ではありません。
彼が本作を激賞したことにより、ウォシャウスキーの名前は一挙に広まります。
そして次回作のSF映画によって世界有数の監督に上り詰めました。
現在はテレビシリーズの制作や映画のプロデューサーなど多方面で活躍を見ることができ、このようなインディペンデント映画を監督することは少なくなりましたが、監督にとってもお気に入りの映画だといいます。