【ルディ】の作品情報(スタッフ・キャストなど)
「ルディ/涙のウイニングラン」は1993年のアメリカ映画です。
上映時間は1時間56分、ジャンルはスポーツ映画に分類されます。
監督したのはデイヴィッド・アンスポーです。
スポーツ映画をよく制作する映画監督で、前作ではバスケットボールの映画を作っていました。
主役のルディ役を演じたのはショーン・アスティンです。
子役から活躍している俳優で、感情の起伏が激しい主人公を見事に好演しています。
音楽は名匠のジェリー・ゴールドスミスが手がけています。
あらすじ解説
主人公のルディは幼い頃からノートルダム大学のアメリカンフットボールチームに憧れを持っていました、ファイティングアイリッシュはインディアナ州でも名門のチームで、このチームに入るには高い競争率を勝ち抜かなければなりません。
高校ではそれなりに活躍しましたが、主人公はアメフトの選手としてはあまりにも小柄です。
身長は160cm、体重は55kgほどしかありません。
これでは屈強な人間がそろう大学のチームに入ることは絶望的な状態です。
そのうえ、学業成績も悪く、私立大学に行けるような経済的な環境もありませんでした。
このためルディは一時、大学進学を諦め、父親のもとで働くことになります。
夢を諦めきれない主人公は働いて得たお金を学業資金にしていました。
恋人もおり結婚をせがまれていましたが、これも大学に進学するために断って、二人は別れてしまいます。
そんな彼の姿を仕事の同僚たちは影で笑っています。
ルディにとって理解者は同じ職場にいるピートだけです。
しかし、ピートは工場事故に巻き込まれて亡くなってしまいます。
悲しみの淵に沈むルディでしたが、この悲しみを乗り越えるために、ついに自分の夢を叶えることを決意します。
父親の反対を押し切り、仕事を辞めて、ノートルダム大学に向かうと教員のカヴァナー神父に出会います。
ここで大学に付属する短期大学への進学を勧められ、ここで頑張ればノートルダムに転入できることを知るのです。
短期大学では脇目も振らずに勉強して、ついに最終学年時に転入が認められました。
大喜びする主人公でしたが、次は大学のチームに入れてもらわなければなりません。
トライアウト試験では猛烈なファイトが認められることで、憧れのチームになんとか入ることができました。
しかし、160cmそこそこの身長では高身長がそろう大学生たちからレギュラーを奪うことはできず、ついに最終学年を迎えてしまいます。
ただし、懸命に努力する姿に、はじめは影で笑っていたチームメイトもだんだんとルディのことを応援するようになって、監督もルディを認めるようになっていました。
いよいよ行われる大学生最後の試合、そこでも主人公はレギュラーには入れませんでした。
しかし、試合が進んだあるとき、選手がある提案をするのです・・・。
みどころのポイント
人は誰しも夢を持っていますが、時間が経つに連れて、それが叶わない夢だと気づいてしまいます。
しかし、それは本当に叶わない夢だったのでしょうか。
本当は努力すれば叶うのに、自分で限界を決めて諦めてしまっているのかもしれません。
この映画を見るとそんなことを考えさせられます。
ルディはアメフトの選手としては圧倒的に身長が足りません。
165cmという身長は日本人でも小柄な部類となりますが、アメリカではもっと小柄です。
とくにフィジカルエリートが集まるアメフトは身長190cm超えが当たり前の世界、そこで活躍するには身長に加えて何か特別なものを持っていなければなりません。
ルディは身長もそうですが、とくに走力があるわけでもなく、あこがれのノートルダム大学に入ることはできても辛い現実を叩きつけられます。
しかし、それで諦めないのがルディのすごいところです。
朝は誰よりも早く練習場にいき、誰よりも遅く練習場を後にします。
一回一回の練習でも全力で取り組み、その姿勢が徐々にチームメイトやコーチの考え方を変えていくのです。
ルディは常人ならばすぐに諦めてしまうような目標を持っています。
それはからかいの対象になり、実際に仕事仲間からは冷笑を浴びています。
主人公はめげることはありませんでしたが、一度だけ本音を吐露したシーンがあります。
それは電話をかけるシーンで、そこである人物に「あいつらを見返してやりたい」と涙ながらに訴えます。
ここは非常に泣けるシーンで、ルディが普通の人間であることが伝わってくる名シーンです。
これ以後、一度もめげるところは見せませんでしたが、夢を追いかけている人や、人知れず努力をしている人にとってとても共感を呼ぶシーンになっています。
ルディのがんばりは周囲の人に波及して、彼は周りにいい影響を与えます。
最後の試合となる映画のクライマックスでは彼のがんばりがついに報われるシーンが描かれます。
彼の長年の夢は思わぬ形で報われることになりますが、それが非常に感動的です。
がんばっていればいつか報われるときがあるとは言いますが、この映画はその言葉を思い起こさせます。
もうひと頑張りしたいときに見てほしい映画です。