【ユージュアルサスペクツ】の作品情報(スタッフ・キャストなど)
ユージュアル・サスペクツは1995年のアメリカ映画です。
監督はブライアン・シンガー、この映画で大きな成功を収め、以後ハリウッドの大作映画を任されるようになります。
登場人物は多いですが、主演といえるのはケヴィン・スペイシーとガブリエル・バーンです。
この他にベニチオ・デル・トロやスティーブン・ボールドウィンなどの名優が脇を固めています。
上映時間は106分とコンパクトな映画になっており、低予算映画でしたが制作費の約4倍の興行収入を稼ぎ出しました。
あらすじ解説
映画の冒頭、左手に拳銃を持った謎の男が登場し、複数の人間を殺害するシーンが映し出されます。
同時にサン・ペドロ港に停泊していた船は爆発して炎上し、警察はこの事件の犯人を追います。
爆発した船はマフィアの麻薬を運ぶ麻薬密輸船であり、この事件はマフィア同士の抗争が原因かと思われました。
捜査官のクイヤンは事件で一人だけ生き残ったというヴァーヴァル・キントの尋問を行います。
詐欺罪で刑務所に入った経験のあるキントは、事件が起こり始める前、そして事件の夜について語り始めます。
密輸船爆破の6週間前、ニューヨークの警察署には5人の容疑者が集められていました。
彼らは常連の容疑者で、汚職警官のキートン、爆弾製造のホックニー、強盗コンビのマクナマスとフェンスター、そして詐欺の常習であるキントです。
5人は銃器強奪事件に関係したとされて事情聴取を受けていましたが、この件では立件されませんでした。
警察署から帰るとき、マクナマスは5人に宝石強奪を持ちかけます。
強奪は見事に成功し、続けて新たな宝石強盗を行いますが、強奪したケースに入っていたのは麻薬でした。
依頼主であるレッドフットに説明を求めると、弁護士に会うように指示されます。
ここで小林という弁護士から強盗の依頼は実は伝説のギャング「カイザー・ソゼ」の依頼だと明かされます。
5人は自分たちでは太刀打ちできない相手を引き寄せてしまったことを後悔するのです。
カイザー・ソゼから小林を通して新たな指令が下りました。
それが映画の冒頭に出てきた麻薬密輸船の襲撃です。
5人は過去にカイザー・ソゼが扱っている品をそれぞれ盗み出した過去があり、弱みを握られてしまった彼らに、逃げ道はありません。
逃亡しようとしたフェンスターは無残な死体となり、4人での襲撃を決意します。
4人は船に乗り込みますが、そこに麻薬はありません。
一方で、ホックニーとマクナマスは何者かに殺され、キートンも銃撃され追い詰められます。
キントはキートンがカイザー・ソゼと思われる人物に殺されるところを目撃し、火も放ちました。
捜査官のクイヤンはキントの供述を聞いて、死んだと思われたキートンこそがカイザー・ソゼであると持論を述べるのですが・・・。
みどころのポイント
ユージュアル・サスペクツはミステリーが好きな人にとって最適な作品です。
誰もが驚くような結末が待っています。
この作品のストーリーベースを作ったのは監督のブライアン・シンガーとクリストファー・マッカリーですが、多くの登場人物が出る複雑な映画はこれ以後作られていません。
いかにこの映画を作るのが難しかったのか想像されます。
ユージュアル・サスペクツは登場人物が多いある種の群像劇的な作品で、プロットも複雑ですが、上映時間は106分と非常に短く、見ている方にとっては難しく感じることはないでしょう。
それぞれのキャラクターが立っているため、物語にスッと入っていけますし、ストーリーが難しいということもありません。
これにはテンポのよい編集が関わっています。
加えて、ジョン・オットマンの音楽も映画を盛り上げています。
物語の最大の魅力は最後に明かされる衝撃の真実でしょう。
ミステリ映画やミステリ小説を読むとき、人は誰しも注意深く物語を追っていきます。
ここは伏線だなとか、この人物は怪しいぞとか考えながら楽しんでいくものです。
作品によっては途中で犯人やトリックが分かってしまうこともあり、そのときはガッカリしてしまうものですが、「ユージュアル・サスペクツ」にはそんな心配は不要でしょう。
謎が解かれる時、誰しも驚き、映画を見終えるとスッキリとします。
しかも映画には謎の解決に必要なものはすべて揃っています。
注意深く映画を見ていれば、謎が分かるように出来ているのですが、それがとても丁寧なもので、決して強引ではありません。
ミステリ映画は一度見てしまえば十分という作品も多いですが、その点この映画は伏線が散りばめられており、それが見事に収斂する作品なので、映画を見終えるとすぐにもう一度映画を見直したくなります。
始めから見直すと映画の至るところに謎の解決へのヒントが散らばっており、それを見逃していたことに気づくでしょう。
そして驚きの結末を今度はさらに深く楽しめると思います。
映画のタイトルは「常連の容疑者」と訳すことができますが、それも映画の最後判明します。
よく一粒で二度美味しいといいますが、この映画は二回三回と楽しめる映画です。