【フォレストガンプ】の作品情報(スタッフ・キャストなど)
映画【フォレストガンプ】は1994年に公開されたアメリカのヒット映画です。
作品名のフォレストガンプは主人公の名前で1985年に発表されたウィンストンルームの同名小説を映画化したものです。
監督はロバートゼメキス、主役は名優トムハンクスが演じています。
知能指数に劣る主人公の半生をアメリカ史も交えながら描いた心温まるヒューマンドラマで、アカデミー賞作品賞やゴールデングローブ賞ドラマ部門作品賞を受賞しました。
あらすじ解説
この映画は主人公のフォレストがバス停のベンチに座り、バスを待つ人々と会話しながら過去から現在へ回想するという形で進行していき、幼少期や学生時代、軍隊時代、そして社会へ出てから現在の生活を事細かに描いています。
アラバマ州グリーンボウで育った主人公のフォレストはもともと知能指数が低く、背骨の歪みから脚装具を付けた生活を送り、小学時代から壮絶ないじめを受けていました。
そんないじめ行為から逃れようとした際にひょんなきっかけから装具なしでも歩けるようになり、驚く程の俊足へと変貌していきます。
その瞬足ぶりは、後にアラバマ大学フットボールチームで大活躍して全米代表選手に選ばれるまでになります。
大学卒業後の軍隊時代にも様々な経験や人との出会いがあり、たまたま療養中の暇潰しに始めた卓球で才能を発揮して全米チームで活躍しました。
除隊後は卓球で得た賞金などの資金でエビ漁を目的とするバッバ・ガンプ・シュリンプを設立、当初は業状も思うように振るわなかったが、運にも恵まれて大成功を収め、莫大な資金を得るまでになっていきます。
しかし、フォレストは事業で得た資金を他界した親友の親族へ渡したり、様々な寄付に費やしました。
その後、たった1人の家族であった母親を癌で亡くし、意気消沈して孤独な日々を過ごしていたところに恋人のジェニーと再会しました。
しばらくは2人の幸せで平穏な生活を送っていたものの、突如としてジェニーはフォレストのもとを去っていってしまいます。
フォレストは放心状態が続き、何を思ったかジェニーから贈られたナイキのスニーカーを履くと、おもむろに外へ飛び出し、訳もなくひたすら走り続けるようになります。
アメリカを何往復も横断しているうちに大勢の人々がフォレストの後を追うように走るようになっていき、世間でも注目を集めて、いつしかフォレストは「平和を願って走る男」として巷の話題となり、突然走ることをやめたことがテレビで報じられると恋人のジェニーから手紙が届きました。
そしてフォレストの子供を育てていたシングルマザーのジェニーと再開後、正式に結婚、妻子との新たな生活は始まった。
ほどなくして不治の病を患っていたジェニーが他界。
残された息子との過ごす日常生活を映し出しながら、映画は幕を閉じます。
みどころのポイント
知的障がい者フォレストを主人公にした本作はアカデミー賞作品賞ほか6部門を受賞するなど高い評価を得た作品です。
ユーモアあり、感動ありの1950~1980年代のアメリカを舞台にしたヒューマンドラマで、みどころは当時のアメリカに対する知識を持っている年代には興味深いシーンが多く、フォレストがウォーターゲート事件を目撃したり、無名時代のエルビスプレスリーや各時代の大統領、ジョンレノンなど当時の事件や著名人が多数登場するのも笑えます。
民宿を営んでいるフォレストの家で、リーゼントの若い男性がギターの演奏をするシーンは笑いを取る場面ですが、この男性がエルヴィスプレスリーであることを知らない世代では全く意味のない場面となってしまいます。
また、全編に渡って随所にこのようなシーンが登場しており、エルヴィスプレスリーやジョンFケネディ或いはジョージウォレス、ベトナム戦争や公民権運動、リチャードニクソン、ピンポン外交など1950~1980年代のアメリカ合衆国に関する知識を多少でも持ち合わせないと笑いは生まれません。
逆にある程度でも当時のアメリカ合衆国の知識があれば、ニクソン大統領の招待でウォーターゲートホテルにフォレストが宿泊するシーンなどは非常に面白く映ります。
波乱万丈、奇想天外な男の半生を描くなかで、ストーリーの面白さやアメリカンドリーム的な爽快さもあり、目の前の事へとにかく一生懸命に取り組む主人公の姿は、自分にも照らし合わせて勇気がもらえます。
主役のトムハンクスは素と思わせる様な素晴らしい演技で、この作品は字幕も良いですが吹き替え版がお勧めでもあり、142分というやや長めの時間設定もあっという間に感じられます。
劇中のセリフ:人生はチョコレートの箱、開けてみるまで分からないは、人々の心に響き残りアメリカ映画の名セリフベスト100にも選出されているほどです。
また、フォレストがただひたすら走り続けるシーンが非常に印象的で、彼が履き潰す「ナイキ」のシューズがとても目に焼き付きます。
その他では映画の時代背景に合わせて、その時代に流行した音楽が流れ、サウンドトラックは約1800万枚という大ヒットを記録したのも人気の高さが現れています。