【暗殺者】の作品情報(スタッフ・キャストなど)
「暗殺者」は1995年のアメリカのアクション映画です。
シルヴェスター・スタローンとアントニオ・バンデラスの2大スターが共演したことで話題となりました。
監督を務めたのはリチャード・ドナーです。
1960年代から活躍している監督で、アクション映画を得意としています。
脚本を書いたのはウォシャウスキー兄弟です。
映画監督として有名な兄弟ですが、これはまだ駆け出し時代の脚本で、コンピュターを使った演出など彼らの持ち味が発揮されています。
あらすじ解説
暗殺者の上映時間は133分、制作費は約5000万ドルだと言われています。
ワーナー・ブラザーズが配給し、アメリカでは1995年の10月に、日本では翌年の2月に公開されました。
物語は霧の中を歩いている二人の男から始まります。
沼地の水に足を取られながらも歩いている二人、靴には水が入ってとても歩きにくそうです。
しばらく歩くと一人が切り株の上に座るように命令しました。
そして何か言うことはないかと聞いて、引き金をひきます。
引き金を引いた男の名はベテランの暗殺者ロバート・ラス(シルヴェスター・スタローン)。
親友さえターゲットにしたことのある非情の男で、仕事が終わると毎回のように次は引退すると考えていました。
次の指令が下り、今度は狙撃での暗殺を依頼されます。
仕事の決行日、彼の獲物は他の暗殺者に狙われ、暗殺者は捕まってしまいました。
その男の名はミゲル・ベイン(アントニオ・バンデラス)です。
ベインは警察から脱走し、ロバートに追い詰められますが、それでも消えてしまいます。
強烈な印象を残した新たな暗殺者に、疑念を抱いた主人公でしたが、また別の暗殺の命令が下りました。
今度のターゲットは女性ハッカーのエレクトラの暗殺依頼です。
ネコを連れた謎めいた存在であるエレクトラの暗殺に向かうと、今度もベインに遭遇します。
またしてもターゲットを殺すことができません。
ただし。
エレクトラと奇妙な関係が芽生え二人は共に逃亡する道を選びます。
暗殺を依頼してきた組織は二人を暗殺しようとします。
エレクトラのフロッピーには組織に関するデータがあり、回収する必要がありました。
ベインを仕向けて二人の暗殺に向かわせます。
一方追われる身となった二人はフロッピーを交渉道具にすることを思いつきます。
フロッピーをうまく使えば大金を得ることができるかもしれない、そう考えた二人はベインの追跡をかわしながらかつて親友を殺したカリブへと逃亡します。
ここで組織から大金をせしめることに成功。
しかし、ベインはすぐそこに迫っていました。
ロバートとベインの最後の闘いが始まります。
ロバートとベインの対決の行方はどうなるのか・・・これが「暗殺者」のあらすじになります。
みどころのポイント
「暗殺者」は影と影の戦いを描いています。
アントニオ・バンデラス演じるベインはもちろんのこと、主人公であるシルヴェスター・スタローン演じるロバートも暗殺者のひとりです。
いってしまえば、この映画には悪役しか登場しません。
ヒロインもクラッキングを仕事としているアウトローです。
この映画は決して照らされることのない影の世界で生きてきた人間を描いています。
それが暗殺者のおもしろいところでしょう。
映画にはラブ・ロマンス要素もあります。
それが暗殺者と女性の出会いです。
彼らはパソコンを通じてチャットをしている仲だったのですが、事件を機に結び付けられます。
お互いが組織の標的になったことで、共に逃亡することになるわけです。
それによって他人同士だった彼らには絆のようなものが出来上がります。
ラブ・ロマンスといってもアウトロー同士の恋愛ですから、それはとてもクールなものです。
大人の雰囲気が濃厚にあります。
暗殺者はウォシャウスキー兄弟の出世作です。
彼らが大学を卒業して、マンガやテレビドラマの脚本を書いているなかで脚本は書かれました。
ウォシャウスキー兄弟の代名詞であるアクション要素はしっかりとこの映画でも見ることができ、その他にはコンピュータを早くから取り入れていること、サスペンス的要素があることなど、のちの映画への影響も考えられる作品です。
二大アクションスターの共演で話題になった本作は、激しいアクションシーンが多く、アクション映画好きにはたまらない一本ともなっています。
とくに狭い部屋で起きるバトルは手に汗握ります。
この映画を監督したのはリチャード・ドナーですが、彼はアクション映画界の巨匠です。
これまでに何作ものアクション映画を監督してヒットさせています。
本作は狙撃や暗殺シーンがありますから、派手な戦闘シーンばかりではなく、静かな戦いにもなっています。
とくに映画にはサプレッサー銃と呼ばれる音の出ない拳銃が多用されており、ピシュンピシュンという音が響きます。
これまでの映画はやはり銃撃の音は大きく、戦闘は大げさな物が多かったため、アクションの新機軸となりました。
映画はヒットして今でもDVDや配信サイトで見ることができます。