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映画【マルコビッチの穴】の評価・あらすじ

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【マルコビッチの穴】の作品情報(スタッフ・キャストなど)

「マルコビッチの穴」は1999年のアメリカ映画です。

監督はスパイク・ジョーンズ、脚本はチャーリー・カウフマンです。

主演はジョン・キューザックとキャメロン・ディアスで、題名のマルコヴィッチはジョン・マルコヴィッチのことを意味し、本人役で出演しています。

音楽はカーター・バーウェルが起用され、撮影はランスアコードが担当しました。

上映時間は112分です。

映画は2000万ドル以上を売り上げましたが、公開が終わってからどんどんと評価が高まっていった映画です。

あらすじ解説

人形使いのクレイグは仕事を探していました。

彼にはペットショップ店員の妻ロッテがいましたが、倦怠期の夫婦です。

クレイグはある日レスターコープという企業の事務員に就職します。

しかしオフィスは7階と二分の一階にあると言われ、出向いてみると確かに7階と8階の間に天井が低いオフィスがありました。

同じフロアには美人社員のマキシンがおり、クレイグは一目惚れします。

必死に口説こうとしますが相手にされません。

ある日、クレイグが仕事をしているとオフィスの壁に穴があることを発見。

これはジョン・マルコヴィッチの頭のなかに通じる穴でした。

このくぼみを通ると15分間だけ彼になって身体を操ることができます。

そして、時間が経つと道路の脇に放り出される奇妙なものでした。

さっそく妻ロッテを誘ってこれを体験させます。

クレイグはマキシンにもこの不思議な体験を話すと、彼女はロッテが入ったマルコヴィッチと一晩を過ごし、興味を持ったマキシンはクレイグと共にビジネスを始めます。

一方、当のマルコヴィッチは自分の周囲で奇妙なことが起こっていることについに気づき、とうとうくぼみの存在を突き止めました。

マキシンとクレイグが自分を使ったビジネスを始めたことを知ると、怒ってくぼみの中に入ってしまいます。

自分の脳内に自分が入ったことで錯乱状態になってしまうのです。

ロッテとマキシンは肉体関係が続いていました。

これに嫉妬したクレイグはロッテを監禁し、自分は穴に入ってマキシンを口説くことにします。

その頃にはクレイグはマルコヴィッチの体を完全に掌握していました。

彼は人形遣いとしての技術を使って、ビジネスを大きくしていきます。

マキシンはマルコヴィッチの子どもを妊娠しますが、ロッテのことが忘れられず、ロッテもある人物から穴の秘密を聞き出していました。

実は体を乗っ取るこの穴には謎の老人グループが関係しており、彼らは他人の体を乗っ取ることで命を永らえてきた存在です。

そして次の器になったのがマルコヴィッチであると聞かされるのです。

ここからクレイグ、ロッテ、そしてマキシンの体の奪い取り競争が始まります。

そして、映画はとても奇妙なエンディングを迎えることになります。

以上があらすじです。

みどころのポイント

他人の体を乗っ取ることができたら、どんなことをしたいでしょうか。

この映画はまさにそんな妄想を叶えてくれる映画です。

他人の頭のなかに侵入するという奇抜な設定は、チャーリー・カウフマンの脚本によって実現しました。

彼はとてもユニークな物語を作る作家として知られ、この映画で成功後、映画監督にもなります。

さて今回、いろいろな人に乗っ取られる哀れな役を演じたのはジョン・マルコヴィッチです。

彼は名バイプレーヤーとして知られます。

ただ、映画好きでないとそこまで知名度のある役者ではありません。

この人選が映画の優れた部分です。

知っている人は知っているけど、知らない人は知らない、そんな俳優です。

ハリウッド俳優ですからジョン・マルコヴィッチは華やかな生活を送っています。

はじめはそんな彼の生活の一部を覗き見るだけで満足していたのですが、映画はだんだんとエスカレートしていきます。

とくにクレイグとロッテ、マキシンの恋の綱引きは映画のハイライトです。

クレイグは妻ロッテには完全に冷めており、マキシンというゴージャスな美人に目を奪われます。

ロッテもまたクレイグへの愛情はなく、それどころか自分が同性愛者だったことに気づくのです。

彼らはマルコヴィッチを利用することで、恋の綱引きを始めます。

それに翻弄されるマルコヴィッチはコミカルで哀れな存在です。

映画はビジュアル面でも注目されました。

大掛かりなCGを使っているシーンはありません。

ただ、マルコヴィッチが大量に現れたり、非常に小さなオフィスがあったり、映像は現実では決して見ることのできないような斬新な映像ばかりです。

監督を務めたスパイク・ジョーンズはもともと音楽のミュージックビデオを制作してきた監督で、CM制作で培った映像美をここでも発揮しています。

映画はラストで非常にシニカルかつ後味の悪いエンディングを迎えますが、この映画を見ているとそれしかないだろうというラストでもあります。

「マルコヴィッチの穴」は公開当時は批評家が絶賛したものの、興行成績はそれほど伸びずに、あまり注目されなかった映画でしたが、今ではジャンル分類不能のオンリーワンの映画としてカルト的な人気を誇っています。

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