【コンエアー】の作品情報(スタッフ・キャストなど)
「コン・エアー」は1997年公開のアメリカのアクション映画です。
上映時間は116分で、監督はサイモン・ウェストが務めました。
製作を担ったのはヒットメーカーとして知られるジェリー・ブラッカイマー。
7500万ドルで制作されましたが、結果的には約3倍の2億2000万ドルを稼ぎ出します。
主役のキャメロン・ポーを演じたのはニコラス・ケイジです。
ヴィンスラスキンはジョン・キューザックが演じました。
ちなみにコン・エアーとは実在する空輸隊の名前で、囚人の輸送に使われます。
あらすじ解説
元レンジャー隊員のキャメロン・ポーは退官の日に酔っ払いに絡まれてしまい、妻のトリシアを守ろうとして一人を殺してしまいました。
正当防衛が認められることなく、殺人罪で服役することになった主人公、その事件から8年の時が流れます。
8年後、ポーは模範囚として仮釈放を待っていました。
身重だった妻は事件のあと無事に出産し、娘は7歳となっています。
ポーは空港まで移送するためアラバマ空港にある空輸システム「コン・エアー」に乗り込みました。
コン・エアーに同乗するのはポーの他に、凶悪な囚人たちがおり、とくに有名な知能犯グリサムもいました。
輸送機は一度カーソンに立ち寄って、6人を降ろし10人乗せる予定です。
さて、新たに載せる10人のなかには麻薬密売組織の息子シンディーノが乗るといいます。
彼にはおとり捜査官のシムズが潜入して任務にあたっていました。
いよいよコン・エアーの離陸です。
離陸してすぐにサイラスはハイジャックを決行します。
サイラスの目的はシンディーノと合流して、父親に引き渡すことでお金を得ることでした。
ハイジャックのドサクサによっておとり捜査官のシムズが死亡します。
カーソンに着くとポーには逃げるチャンスが生まれますが、機内には護送官や囚人仲間がいて、彼は機内に残ることを決断するのです。
コン・エアーに乗り込んだのはシンディーノだけではありません。
快楽殺人を繰り返したグリーンが乗り込みます。
そして飛行機はシンディーノの父親が待つ飛行場に向かいます。
飛行機の進路変更によって捜査官のラーキンはついに飛行機に何か異変が起こっていることを察知。
同時に降りなかったポーの存在に気づきます。
ポーもまたラーキンの存在に気づき、死体を機外に捨てることでメッセージを残しました。
メッセージに気づいたラーキンは警官隊を招集し、シンディーノ父の待つ飛行場に先回りしますが、スタッフたちは殺されていました。
その頃、機内ではいよいよ着陸となりますが、シンディーノが逃走するとサイラスによって殺されます。
同時にサイラスは警官隊の存在に気づき、飛行機は再び空へ。
機内に裏切り者が判明したことでサイラスは誰が裏切ったのか白状させようとします。
ポーをかばってベイビー・オーが名乗り出ますが、すぐに殺されてしまいました。
絶体絶命のピンチが続くコン・エアーでポーは生き延びることができるのでしょうか。
みどころのポイント
この映画はいわゆるハイジャックものです。
凶悪犯が機内に乗り込んで飛行機をハイジャックし、それに偶然乗り合わせた主人公が立ち向かうというのが基本的なストーリーですが、この映画も同じように進行します。
しかしコン・エアーがおもしろいのはハイジャックされる機体がタイトルの「コン・エアー」だったことでしょう。
コン・エアーは説明したようにアメリカの特殊な飛行機で、囚人を移送する際にも使われます。
そのためこの機体に乗っているのは凶悪な犯罪者ばかり。
ある囚人は知能犯だったり、ある囚人は婦女暴行事件を起こしていたり、麻薬の密売人だったりと、悪役キャラが次々と登場します。
さらに映画はカーソン空港で囚人をさらに乗せ、そこには快楽殺人者が登場するなど、犯罪者ばかりです。
絶対になにも起きないはずがありません。
敵を倒したら、さらに強い敵が出てくるのは映画や漫画の王道ですが、この映画はまさにそんな構造をしています。
主人公のキャラクターも魅力的です。
ニコラス・ケイジ演じるポーは過剰防衛で捕まってしまった善人です。
ですが護送官からは他の犯罪者と同じように扱われてしまいます。
それでも妻と、未だに見たことのない娘との再会を楽しみにしているわけですが、これは非常に共感を誘う設定だといえます。
主人公はハイジャック後の機内で脱出するチャンスを得ます。
脱出しなければ無残に殺されるかもしれず、脱出すれば妻や娘に会えるかもしれません。
それでもポーは護送官や仲間の囚人を気遣って飛行機にとどまる決断をします。
そんな勇気あふれる主人公をニコラス・ケイジは好演しました。
ニコラス・ケイジはコン・エアーの成功で、アクション映画のスターに躍り出ます。
以後、ハリウッド大作の出演が相次ぎますが、彼の一番の傑作は何かと聞かれたら、本作を挙げる人は多いでしょう。
コン・エアーは次の展開が読めないめまぐるしいスピードで映画は進行し、共感のできる主役がいます。
アクションも派手なものが多く、心理戦のようなジリジリとした感じがあります。
そのなかで発揮される主人公の勇気は私たちの胸を打つものです。
ニコラス・ケイジの代表作をひとつ挙げるならコン・エアーは第一候補にあげたい傑作です。