【パルプフィクション】の作品情報（スタッフ・キャストなど）
パルプ・フィクションは1994年のアメリカ映画です。
ミラマックス・フィルムズが制作し、監督と脚本はクエンティン・タランティーノが務めました。
登場人物が多い群像劇である本作には数多くの出演者が共演しています。
まずはジョン・トラボルタとサミュエル・L・ジャクソンはギャング役です。
ユマ・サーマンは薬物に溺れる女性で、ブルース・ウィリスはボクサーを演じます。
この他にもティム・ロスやハーヴェイ・カイテルなど監督の常連が出演しています。
あらすじ解説
パルプ・フィクションの制作費は800万ドルで、最終的には2億ドル以上を稼ぎました。
上映時間は154分です。
ストーリーはひとつのマフィアを中心に進みますが、時間の順序を入れ替えていくつかの話が交差する方法を採っています。
パルプ・フィクションのあらすじはこうです。
あるレストランでガラの悪い二人のカップルが話していました。
パンプキンとバーニーは強盗の計画をしている真っ最中で、ひとしきり計画を話したあと、拳銃を抜き今いるレストランの強盗を始めます。
一方、マフィアのジュールスとビンセントは組織を裏切った男の部屋を訪ねます。
その後ボスから妻ミアの世話を頼まれていたビンセントは食事に連れていき、ダンスを踊り、彼女の頼みを聞いていました。
ところがミアがコカインの過剰摂取により心肺停止状態になってしまいました。
ビンセントは売人に電話をかけ、蘇生を試みると間一髪ミアは息を吹き返します。
プロボクサーのブッチはマフィアのボスから八百長試合を持ちかけられます。
しかしいったんは引き受けたものの裏切り、勝利してしまいました。
実は弟と計らって自分が勝つように賭けていたブッチは、この試合で大金を得ます。
ただ、この裏切りによってマフィアから追われるようになり、恋人のファビアンと逃げます。
逃げる途中でファビアンは形見の金時計を忘れたことに気づき、アパートに引き返しますがそこにはビンセントがいました。
ブッチはビンセントを射殺、そしてボスと格闘することになるのです。
二人が戦っていると、ひょんなことから質屋に監禁されてしまいます。
質屋に暴行されるボスでしたが、ブッチは彼を助けたことで、裏切ったことは水に流すことに。
ブッチとファビアンは無事に街を出ました。
話は戻ってビンセントとジュールスに、組織を裏切った男を追う二人は青年二人を殺害します。
そのあと知人のマーヴィンと合流しますが、ビンセントがふざけて拳銃を弄んでいると、拳銃は暴発しマーヴィンの頭を吹き飛ばしてしまいました。
そこにジュールスの友人が現れ、友人は部屋の惨状を見て激怒。
二人に死体を片付けるように指示するのですが・・・。
以上が「パルプ・フィクション」のあらすじです。
みどころのポイント
20世紀前半のアメリカではパルプ紙という安価な紙で作られた雑誌があり、これはパルプ・マガジンと呼ばれ、ここに載っている小説はパルプ・フィクションと呼ばれていました。
パルプ・フィクションというタイトルはここから取られています。
また、安いペラペラの紙で作られた雑誌に載る小説ですから、小説の内容もまた読み捨てられるような濫造品ばかりです。
いつしかパルプ・フィクションは「安っぽい物語」というような意味で使われ、タランティーノの映画もまるでそんな小説に出てくるような展開が続きます。
もちろんこれは「あえて」の演出です。
そしてそこが映画の最大の魅力になっています。
なかでも会話は非常に独特です。
パルプ・フィクションは登場人物たちが様々な雑談を楽しむのですが、これらの会話が物語に関わってくることはありません。
正真正銘ただの雑談です。
映画は普通、会話があれば物語の進行やテーマに関係するように考え抜かれているものですが、パルプ・フィクションはそんな方法は採りません。
ただただ雑談が続いていくのです。
しかしその掛け合いがおもしろい、とくにサミュエル・L・ジャクソンとジョン・トラボルタの会話はとてもコミカルです。
作中には映画好きがクスッとなるような小ネタやパロディもふんだんに入れられています。
とくに日本映画好きで知られるタランティーノは、今作では武器に日本刀を用いていますが、これは邦画の任侠ものから取られています。
こうした小ネタを見つけることも映画の大きな楽しみです。
音楽の使い方もセンスがいいものばかりで、タランティーノは埋もれていた楽曲を掘り出して、映画のサウンドトラックに用いることで知られます。
オープニングで使われた楽曲はすぐに有名になり、今ではあらゆる映画やドラマ、テレビ番組などで使われています。
映画は大ヒットし、製作会社のミラマックス・フィルムズは多大な収入を得ます。
この映画のヒットによってミラマックスは以後アカデミー賞を何度も受賞する映画を制作する会社へとなりました。
パルプ・フィクションもカンヌ映画祭でパルムドールを受賞するなど、高い評価を得ます。
タランティーノ作品でも人気が高い一本です。
