【モズ(MOZU)】の作品情報(スタッフ・キャストなど)
MOZUはTBSとWOWOW共同制作ドラマMOZUの映画版であり続編です。
キャストはドラマに引き続き主演に西島秀俊、香川照之、真木よう子、その脇を固めるのがドラマ版で圧倒的な存在感を見せた長谷川博己、池松壮亮などが名を連ね、さらにドラマ作中にも大きな謎として語られついに姿を現わすダルマ役にビートたけしがキャスティング。
他にも伊勢谷友介、松坂桃李らが映画版より参戦しています。
監督はドラマ版から引き続き「海猿」シリーズで知られる羽住英一郎です。
あらすじ解説
ドラマ版にて妻の死の真相に辿り着いた倉木(西島秀俊)は気力を失っていました。
そして「MOZU事件」で倉木と共に真相を大杉(香川照之)も警察組織への不信感から退官し、探偵事務所を開きそれぞれ違う道を歩んでいました。
だが、高層ビル占拠爆破テロとペナム大使館襲撃の二つの大規模テロが同時に発生し、犯罪プランナーの高柳(伊勢谷友介)と殺し屋の権藤(松坂桃李)を中心とするテログループによる犯行である事がわかり、同時に彼らはドラマ版から作中最大の謎として語られ日本犯罪史の重大事件を影で操ってきた「ダルマ」(ビートたけし)を先生と呼び、崇拝し「ダルマ」の元である犯罪計画を極秘裏に進行させている事が捜査を進めるうちに判明します。
この事件を担当するのが倉木と大杉と「MOZU事件」を捜査した公安部の明星(真木よう子)です。
倉木はペナム共和国大使館に匿われているペナム人の大使館員とその娘エレナを乗せた車が襲撃される所に居合わせ、二人を助けた後、母親に「日本の警察は信用できないから大使館へ娘を連れて行ってくれ」と言われ、倉木は信用できる大杉に預けます。
だが、権藤は病院で母親を殺した後、エレナを匿っていると気付き、大杉探偵事務所へ向かうが大杉は交番に勤務する鳴宮(伊藤淳史)にエレナを預けていました。
しかし権藤が向かった先には大杉の娘、めぐみ(杉咲花)が居た事から、誘拐されます。
そうして、かつて「MOZU事件」を捜査した倉木達それぞれがそれぞれの理由でこの大規模同時発生テロに巻き込まれ、関与していく事になり、架空の国ペナム共和国で倉木達は「ダルマ」を追います。
その過程で、ドラマ版から登場していた東(長谷川博己)や本作のキーマンである殺し屋の百舌、新谷(池松壮亮)などが運命的にこの事件に絡まり、ドラマ版での強烈なキャラによる濃度を映画版でも保つどころか更に濃さが増しています。
それぞれの行く先に、「ダルマ」の存在があり、彼らは異国の国で苦しめられます。
果たして、倉木達は「ダルマ」を首謀者とするテログループの犯罪計画を阻止する事は出来るのか、「ダルマ」の謎を解き本当の真相に辿り着く事は出来るのか、倉木達は本当の真相を知る覚悟はあるのでしょうか。
みどころのポイント
映画版MOZUのみどころは、ドラマ版から顕著であったスケールの大きいストーリーや迫力のあるアクション。
そして、ドラマ版でも話題となった各キャラクターが更に濃くなっている事です。
ドラマ版からストーリーが大きく展開される中で、随所に存在が現れ本作の最大の謎であった「ダルマ」について映画版では描かれています。
いわばMOZUのラスボスとも言えるこの「ダルマ」をビートたけしが演じます。
ビートたけしが醸し出す、圧倒的存在感と緊張感。
多くの事件を目にして来たであろうダルマの経験の蓄積による言動を体現する演技は必見です。
日本で同時発生テロが起こる、テログループが大使館の娘を誘拐する、それを追って海外に向かう、そして悪と対峙するという、海外映画のようなスケールの大きいストーリーになっています。
そのストーリーのスケール感を表すかのような映像もみどころです。
架空の国ペナムの表現する為に選ばれたロケ地はフィリピンです。
フィリピンの街が持つ独特の雰囲気が映像から感じる事ができ、そこで展開される迫力のあるアクションシーンは羽住英一郎監督にしか出来ない映像表現になっています。
ドラマ版でも高評価を得ていた各俳優のアクションシーンも映画版でも健在で、スピード感と緊迫感が走り、それを後押しするかのようなカメラワークも痺れます。
そして、大きな話題を呼んだ倉木をどこまでも追いかける東など、ドラマ版でキャラクターがしっかりと出来上がっていましたが、そのキャラクターを投入しストーリーを更にヒートアップさせます。
本当の意味での主人公である殺し屋の新谷は今回もアイスピックを持って登場し、驚異の身体能力と狂気の目で人を殺していきます。
特に新谷をモデルとしている権藤との対決は圧巻です。
そして、主人公倉木を深く愛し、どこまでも追いかける東は今回も倉木をペナム共和国まで追っかけてきます。
更に、ロケットランチャーを持ち暴れるので今まで以上に危険度がアップしています。
しかし、そんな東と倉木の関係性に発展が生まれるのでその様子にも目が離せません。
MOZUの狂気的なキャラクターとそれを表現する演技合戦が最大のみどころになっています。