【アポロ13】の作品情報(スタッフ・キャストなど)
「アポロ13」は1995年のアメリカ映画。
実際に起きアポロ13号の爆発事故を元にした歴史フィクションです。
映画を監督したのは巨匠ロン・ハワード。
今までに何本も映画をヒットさせてきたハリウッドきっての名監督です。
俳優陣はとても豪華なものになりました。
ダブル主役を務めたのはトム・ハンクスとケヴィン・コスナーです。
どちらも演技派として知られます。
他に、ゲイリー・シニーズやエド・ハリスなど90年代を代表する映画俳優が共演しています。
あらすじ解説
ジム・ラヴェルはアメリカの宇宙船アポロ13号への搭乗が予定されている船長です。
同じ船には月面着陸用の船のパイロット「フレッド・ヘイズ」と司令船のパイロット「ケン」の3名の同乗が予定され、彼らとともに訓練に励んでいました。
しかし打ち上げの二日前になってチームに風疹が流行、すぐに全員の検査が行われます。
風疹の抗体を持っていないケンはチームから外れてしまいました。
代わりの要員としてジャックが呼び出されます。
長年の夢が叶うジャックは歓喜しますが、ケンはひどく落胆します。
1970年4月11日、アポロ13号はついに打ち上げられました。
打ち上げる際、5基あるVロケットのうち1基が停止したものの影響はなく、いよいよ月世界旅行が始まると3人は期待に胸を膨らませます。
次は月面陸船とのドッキング作業です。
練習では失敗の多かったジャックがここで無事に成功して見せます。
船は予定の航路を通り、旅は順風満帆なように思えました。
航路を進む途中、テレビ中継の時間がきます。
しかし、3度目の月面着陸となるアポロ13号に世間の目は冷淡で、どこもテレビ中継する局は現れません。
そうこうしていると月面着陸までもう少しのところに迫っていました。
地球の管制室はジャックに液体酸素の用意を指示します。
ところが彼がタンクの撹拌スイッチを押すと大きな爆発が起こり、船は激しく揺れます。
警告ブザーが大量に鳴り響くなかで、酸素残量を見ると酸素が減っています。
計器の故障かと思われましたが、ジムが肉眼で酸素の流出を確認しました。
船は同時に電源の大半を失っています。
地球へ帰るためには電源を落とさなければなりません。
そして月面着陸用の船で地球へ帰ることになります。
ここで新たな問題が浮上します。
地球に帰るには誘導プログラムが必要です。
これを着陸船に移さなければ進路を見失ってしまいます。
しかも作業に使える酸素のタイムリミットはあと15分。
通常、3時間はかかる作業です。
こんな絶望的な状況で、誘導プログラムの搬出作業が始まります。
アポロ13号とクルーの3名は無事に地球に生還することができるのでしょうか。
全国民が見守る中、史上最大の帰還作戦がはじまります・・・。
みどころのポイント
「アポロ13」は1995年に制作された映画ですが、なぜ1970年に起きた事故を90年代に公開する必要があったのでしょうか。
それには1986年に起きたチャレンジャー号の爆発事故が絡んでいます。
チャレンジャー号爆発事故とは、スペースシャトルのチャレンジャー号が打ち上げからわずか1分ちょっとの間に爆発した事故です。
多くの命が失われました。
実はこの事故は単に宇宙船が爆発しただけでなく、アメリカの威信をも揺るがせた事故です。
チャレンジャー号の事故によって宇宙開発への野心と自信が失われていたアメリカにとって、アポロ13は描くべき題材でした。
アポロ13号もまた爆発事故に見舞われますが、こちらは3名のクルーが生還しています。
アポロ13号を描くことで、失っていた何かを取り戻そうとする狙いがこの映画にはあったといいます。
アポロ13号は様々な異常事態に見舞われました。
酸素タンクの爆発に始まり、センターエンジンの故障、電力と酸素の喪失、二酸化炭素濃度の上昇など様々です。
映画ではトラブルが次々と発生し、息つく暇もありません。
地球が見えてきたと思ったら、今度は大気圏に突入する軌道がズレていることが発覚します。
そこで軌道修正のためにある方法を試すのですが、映画にはトラブルに見舞われては解決策を探して、実行するとさらに別のトラブルが発生します。
映画は科学的な考証に基づいており、非常に論理的でリアルです。
トラブルに対処するクルーたちも優秀で見ていてハラハラすると共に、謎が出てはそれを解決するところにミステリー的なおもしろさがあります。
映画は3人のクルーと地球にいる管制室とのタッグで進み、彼らが協力する様が描かれています。
困難に見舞われても決して諦めない宇宙船飛行士と、地上から懸命にサポートする管制室の姿は感動的です。
はじめは月面着陸に関心がなくなっていた大衆も、事故が知らされると国民の関心事になり、アポロ13号の着陸は固唾をのんで見守っていました。
最後のトラブルを乗り越えて、ついに着陸すると管制室の喜びは爆発します。
まさに奇跡の生還です。
映画はその奇跡の一部始終を伝えており、どんな困難にぶつかっても人は乗り越えられると教えてくれます。