【フラッシュダンス】の作品情報(スタッフ・キャストなど)
「フラッシュダンス」は1983年の恋愛ミュージカル映画です。
アメリカで制作され、監督を務めたのはエイドリアン・ライン。
プロデューサーは米国でも屈指の仕掛け人ジェリー・ブラッカイマーです。
ヒロインを演じたのはジェニファー・ビールスです。
彼女はこの映画で一躍人気女優へと上り詰め、80年代を代表する女優となります。
共演はマイケル・ヌーリーやシンシア・ローズなどです。
音楽は、ジョルジオ・モロダーが作曲しています。
あらすじ解説
アメリカのピッツバーグ、18歳のアレックスはプロのダンサーになるという夢を持ちながら、昼は製鉄所、夜はキャバレーのバーでダンサーをしながら働いていました。
アレックスには身寄りがなく、倉庫を改装した家に住み、一緒に暮らしているのは愛犬のグラントです。
キャバレーの同僚ジェニーはプロのスケーターを目指しています。
ジェニーにはコメディアン兼料理人の恋人リッチーがいました。
ある日、キャバレーで働いていると客の中に、製鉄所の社長ニックを見つけます。
彼も彼女に気づき、仕事中にしつこい誘いを行います。
彼女はそんな口説き文句を撥ね付けました。
また、彼女のダンスを見ていたクラブのジョニーは彼女をスカウトしようとします。
アレックスには元バレリーナでダンスの師匠であるハンナという相談相手がいました。
彼女に会いに行き、ついにダンサー養成所のオーディションを受けようと決意します。
養成所の応募用紙にはダンス経験や教育の欄があります。
独学でダンスを続けていた彼女には書けることがありません。
落胆してオーディションも受けずに帰るのでした。
ある仕事の帰り、主人公とリッチーがバーを出るとジョニーとボディガードのセシルに絡まれます。
ここでニックが助け舟を出したことでアレックスとニックの関係は急接近しました。
プロスケーターを目指すジェニーは競技会に出場し、アレックスは応援に駆けつけました。
そこでジェニーは2回転倒し、敗北してしまうのです。
彼女にとってこの敗北は挫折となり、夢を諦め、リッチーとも別れてしまいました。
代わりに付き合ったのはジョニーです。
ジョニーはジェニーをトップレスのダンサーとして使い、アレックスはその姿に胸を痛めます。
ある日、アレックスはニックが見知らぬ女性とバレエを見ているのを発見。
彼女はニックの家で怒りを爆発させますが、実は女性は彼の前妻でした。
二人は仲直りして、いよいよアレックスはオーディションに挑戦することを決意します。
ニックは養成所にコネがあり、彼女を合格させることもできました。
しかしそれを知った彼女は、もう一度激怒し、オーディションをやめます。
その頃、ダンスの師匠ハンナの訃報が届きました。
そしてもう一度だけ挑戦しようと決意するのです。
みどころのポイント
何度も挫折しながらついにオーディションを受けることを決意したアレックス。
ここから映画史に残るダンスシーンが始まります。
「フラッシュダンス」はミュージックビデオのような映画です。
ミュージックビデオとは、音楽の宣伝のために作られる映像作品のことですが、当時はミュージックビデオが作られて間もないころで、その演出方法を映画に取り入れた画期的な映画といえます。
物語のドラマはまるで最後のダンスシーンのために作られたようなストーリーになっています。
この演出手法はその後の映画に大きな影響を与えて、プロデューサーのジェリー・ブラッカイマー作品には影響が強く見られます。
オーディションの会場となるダンスフロアには、広いフロアと大きな窓だけがあり、余計なものは一切ありません。
ここで光に照らされたアレックスが踊ります。
ジャズダンスとブレイクダンスを取り入れたダンスシーンは、アレックスの美しさを存分に引き出しており、独創的です。
ちなみにブレイクダンスを最初に取り上げた映画作品とも言われます。
フラッシュダンスは公開前の批評家からは不評だったようです。
しかし、映画が公開されると大ヒットし、1983年の興行成績で3位を記録しました。
最終的には世界で1億ドル以上のスマッシュヒットを上げて、80年代を代表する映画となります。
サウンドトラックもヒットしました。
マイケル・センベロの「マニアック」と、主題歌アイリーン・キャラの「フラッシュダンスホワット・ア・フィーリング」は大ヒットします。
監督のエイドリアン・ラインはラブ・ロマンス映画を得意とする映画監督ですが、フラッシュダンスのアレックスとニックの恋愛ドラマは物語のキーになっています。
フラッシュダンスは女性がヒロインの映画ですが、これまでの女性像とは異なるヒロイン像を打ち出した映画です。
男性に頼らずに、自分で夢を切り開いていく姿は、女性の権利拡張を訴えた時代を反映しています。
特に、恋人のニックがコネを使おうとしてアレックスが拒否するシーンは、映画のとても大きなメッセージです。
そんな新しい女性像が支持されて、フラッシュダンスは女性から絶大な人気を誇る映画作品となりました。