【ハルフウェイ】の作品情報(スタッフ・キャストなど)
監督、脚本を北川悦吏子が務めたこの作品ですが、実はこの映画彼女が監督として撮った初めての作品なんです。
そしてキャストは北乃きい、岡田将生、溝端淳平、仲里依紗、成宮寛貴、大沢たかおと豪華な顔ぶれになっています。
この作品の撮り方はすごく斬新で等身大の10代の恋愛を描くためにほとんどのシーンがそれぞれ役者のアドリブによって出来ているので、台本では作れないような掛け合いを楽しむことが出来ます。
実はハルフウェイという題名も北乃きいが、ハーフウェイをハルフウェイと読み間違えたところからきているのです。
あらすじ解説
主人公のヒロが熱で倒れてしまい、友達と保健室で休んでいた時に友達に好きな男の子、シュウに今日の放課後に告白することを宣言します。
しかし、ヒロが熱に浮かされつつそのことを明かした相手は計らずも友達だけでなく告白したい彼本人にも聞かれてしまっていたのです。
なぜならシュウもバスケのプレイ中に怪我をしてしまい、たまたま保健室に居合わせていたのでした。
シュウも実は彼女のことが気になっていて偶然彼女が自分に気があることを知り、放課後ヒロは告白しようとしていたはずが逆に彼のほうから付き合って欲しいと言われ、2人は付き合うことになるのでした。
そんなある日、高校三年生の2人は進路がきっかけで喧嘩をしてしまったのです。
実はヒロと付き合う以前から彼は上京して志望している大学へ行くことを決めていました。
ですが、彼女に地元の大学に行くことを打ち明けられてから東京に行くことをなかなか言いだすことが出来なかったのでした。
ヒロはシュウの友人から彼が上京して東京の大学に行きたいことを知ってしまい、自分に言ってくれなかったことともう少ししか一緒にいられないことにショックを受けてしまうのです。
そして、彼に東京の大学に行くのを辞めないなら別れると突きつけてしまうのでした。
シュウは彼女にそう言われて本心では行きたいのに自分の気持ちを押し殺して、東京の大学に進学することを諦めてしまいます。
その一方で彼女はシュウに東京に行くことを諦めさせてしまったことに対し嬉しさ半面諦めさせてしまったことにどこか後ろめたさを感じていたのでした。
自分はどうしたら良いのかが分からず、ヒロは書道の先生に相談すると狭い世界しか知らず自分を選ぶ彼と広い世界を知って知識や見識を深めた上で自分を選んでくれた彼だったらどちらのほうがいいのかと聞かれます。
一時の感情に委ねてしまうのはよくないと諭されたヒロはようやく自分の中で結論を出し、彼に東京に行くことを勧めます。
それから彼女はシュウの東京進学を応援するようになり、一緒にいられる残りわずかな時間をめいっぱい楽しむことにしたのでした。
はたして2人の結末は一体どうなるのでしょうか?だけど、それはまだ物語の途中なのです。
みどころのポイント
キラキラした青春時代そのもので見ていると甘酸っぱい気持ちになります。
高校三年生で地元の大学を進学することにしていたヒロが彼にの進学志望の大学が東京にあることを知ってから2人は喧嘩をしてしまいます。
やっと付き合えたのにあと少ししか一緒にいられないのは嫌だと思ったヒロはシュウに東京に行くのを辞めてくれないなら別れようと言って引き止めてしまうのでした。
好きだからこそそばにいたいけれど自分のワガママで彼の夢を摘んでしまうことに対し罪悪感も感じていてヒロは2つの思いに揺れていました。
シュウはシュウで彼女に言われて諦めたものの本心では東京の大学に行きたいままでした。
彼女が好きだからこそ自分の夢を諦めようと自分の本心を押し殺していたのです。
そんな彼を察した彼女は今までの意見から一変し東京の大学に進学することを応援するようになります。
また等身大の2人の恋の行方はついついなんだか応援したくなってしまいます。
また主人公ヒロがいじらしくて可愛いです。
保健室の先生にちょっと親切にしただけで嫉妬したり離れ離れになるなら別れると言ったりと振り回しっぷりが半端じゃないのになぜか憎めないところがとても魅力的です。
シュウは優しいので、いつも振り回されっぱなしで大事な進路すら彼女に言われて行きたかった東京の大学に行くことも諦めてしまいます。
そしてこの映画の最大の見どころは迷い悩みながらも自分のためじゃなくて相手のために大事な決断をするところだと思います。
もし、彼女が彼にそばにいて欲しいという一心で引き止めていたらどうなったでしょうか?また彼が彼女の意見を聞かずに東京に行ってしまっていたらきっと結末は変わっていました。
この映画のキャッチフレーズは「だけどそれはまだ物語の途中…」で、結局未来がどうなるのかなんてことは分かりません。
シュウが戻ってきた時に彼女を選ぶ保障なんてないし、ヒロは別の誰かと一緒になることを選んでいるかもしれません。
それでも不確定な未来のことを考えるよりも今出せるベストな結論を出すしかないのです。
ただ甘いだけの恋愛ではなく、将来のことなどシビアな面もあって物語としてちゃんと深みがあったのが良かったです。