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映画【21グラム】の評価・あらすじ

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【21グラム】の作品情報(スタッフ・キャストなど)

21グラムはこの作品の後に、バベルやバードマンなどを創り出す、アレハンドロ・ゴンザレス?イニャリトゥが監督です。

脚本を書いたのはギジェルモ・アリアガです。

日本では2004年に公開されました。

キャストは世界三大映画祭の全てで主演男優賞を受賞しているショーン・ペンや鬼才デヴィッド・リンチ監督のマルホランド・ドライブのナオミ・ワッツ、ユージュアル・サスペクツのベニチオ・デル・トロなどが顔を揃え、各々が複雑な役柄を演じています。

あらすじ解説

作品名である「21グラム」とは20世紀初期のアメリカの医師ダンカン・マクドゥーガルが行った魂の重量を計測の実験に由来し、人が死んだ時に21グラム軽くなるという話から題名を掲げています。

ポール(ショーン・ペン)は病気で自宅療養と入院を繰り返しており、妻のメアリーとは別居しています。

しかし、余命1ヶ月と知りメアリー(シャルロット・ゲンズブール)はポールとの子供が欲しいとポールのところへ戻ってきます。

実はメアリーは過去にポールとの子供を中絶した過去があるが、ポールには知らせていません。

そんな事もあり、メアリーは不妊治療に熱心になっているが、ポールの方はイマイチ乗り気ではありません。

とある日、ポールは心臓移植手術を受け成功します。

ジャック(ベニチオ・デル・トロ)は刑務所から出てきて間もなく、友人のつてを頼りに仕事に就き、家族と共に生活を送っています。

彼は信仰に目覚め、教会に通うようになっていました。

しかしある日、男とその娘を車ではねてしまい、そのままひき逃げをしてしまいます。

帰るとジャックの妻は自宅でパーティを開いていましたが、客を返し妻にひき逃げをしてしまった事実を伝えます。

妻は動転しますが、ひき逃げの痕跡を消すために泣きながらジャックの車を洗車します。

そして、ジャックの出頭を引き止めようとしますが、ジャックは出頭する意志を決めていました。

クリスティーナ(ナオミ・ワッツ)は夫と娘、家族円満で幸せな毎日を送っていましたが、その夫と娘がひき逃げ事故にあい失ってしまいます。

そうです、ジャックが起こしたひき逃げ事故です。

クリスティーナの夫はこの事故で脳死状態となり、心臓移植のドナーとなります。

そしてポールへ心臓移植されることになりますが、クリスティーナは誰に提供されたのかは知りません。

ポールは心臓移植のドナーが誰なのかを私立探偵を使い調べ上げ、失意のどん底におりドラッグに溺れるクリスティーナに出会い、そしてジャックの妻が弁護士を雇い、ジャックを釈放します。

そうしてポールとクリスティーナとジャック今まで知り合うはずの無かった3人の人生が少しずつ交わり、命の尊さや人生を生きる難しさを伝えます。

みどころのポイント

21グラムの最大のみどころは人生を生きるということや命の尊さを描いている脚本です。

それぞれの人生が交わっていくストーリーを時系列をバラして描いており、作風としては脚本のシリアスさを画にするように非常に重たく、どこか冷たい印象にあります。

また、俳優陣の複雑なキャラクターを演じる演技もみどころです。

ポールの死を覚悟してから、心臓移植を受けたことによってまた人生が始まり、自分の命を繋いだクリスティーナに会い、そこから行動を共にするという、感情変化が多く表現力を必要とするこの演技にはショーン・ペンにしかできないと思えるくらいです。

ショーン・ペンの少し悲しげな顔立ちもよりポールの感情変化を表す材料になっています。

また、ベニチオ・デル・トロが演じるジャックはかつては犯罪者で刑務所で神を信じるようになり、釈放されてからも教会に通うなど、熱心な信者となっていました。

それによってか家族とも生活を送り少し救われたような様子でしたが、そこにひき逃げ事故を起こします。

ある意味、ジャックは巻き込まれたとも言えます。

ひき逃げ事故によってまたジャックは刑務所に入り、失意のあまりに刑務所で自殺を図りますが、失敗し妻によって釈放されます。

しかし家ですら居場所で無いように感じてしまいます。

そんな解放からまた囚われ、また解放された時には居場所がなくどうしようもない感情を持ったジャックの演技はこの作品が持つ悲しみや辛さをより際立たせています。

クリスティーナを演じるナオミ・ワッツも同様で、幸せから一転これでもかというくらいのどん底に落とされ、クラブで夜遊び、ドラッグに堕ちていくという目も当てられないような変わりようを見事に演じています。

クリスティーナの前にポールが現れ、3人の人生が少しずつ交わっていくストーリーは他に観たことがなく、引き込まれる物があります。

しかし、あまりの悲しさや重さに耐えられなくなってしまうストーリーでもあります。

そこには生を生きる難しさや、いつかは失う「21グラム」魂の重みを感じる事が出来るようになっており、この作品を観て、自分はどのように21グラム軽くなりたいかを考える機会になるかもしれません。

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