【50回目のファーストキス】の作品情報(スタッフ・キャストなど)
「50回目のファーストキス」は2004年のアメリカ映画です。
記憶障害の女性と、その彼氏である男のラブ・コメディを描いています。
監督を務めたのはピーター・シーガルです。
喜劇映画を得意とする監督で、映画にはその手腕が存分に発揮されています。
脚本はジョージ・ウィング、音楽はテディ・カステルッチが務めました。
主演はアダム・サンドラーとドリュー・バリモアの二人です。
アダムはコメディ映画の大スターで、ドリューは子役出身で息の長い女優です。
あらすじ解説
ハワイの水族館の獣医師として働くヘンリーは、海洋探索の夢を見ながら、プライベートでは一夜の恋を楽しむプレイボーイです。
ある日、カフェでルーシーと出会います。
ヘンリーとルーシーは一夜を共にしますが、次の日彼女は彼のことをすっかり忘れています。
ヘンリーはショックを受けますが、実は彼女には交通事故の後遺症で記憶障害がありました。
その症状とは事故前日までの記憶はあるものの、以後の記憶は一晩でリセットされる前向性健忘という症状です。
彼女の家族はその症状に気づかないよう、毎日同じ日の新聞を用意し、彼女が絵を描けばそれを消して、事故の翌日にある父親の誕生日を繰り返していました。
ルーシーを好きになったヘンリーは、毎回彼女に出会うところから始め、愛を告白しファーストキスをして別れ、これを繰り返します。
今度もキスをして別れましたが、実は23回目のファーストキスです。
ある日ルーシーの車が車検切れになり、不審に思って新聞を読むと、自分の記憶と違う日付が表示されていることを発見します。
このことを父親に話しますが、こうした問い詰めも父親には経験済みです。
用意しているファイルを見せて、記憶喪失だと説明します。
ルーシーは悲しみますが、次の日になると元通りです。
しかし、いつまで繰り返しても彼女の人生は失われたままです。
ヘンリーはルーシーの人生を取り戻す決意をします。
まずはビデオを撮ることを思いつきました。
二人の出会いから今までのビデオを作成し、彼女に見せます。
ルーシーにとっては見知らぬ男でしたが、徐々にヘンリーが恋人であると理解していきました。
ビデオのおかげで二人の仲は次第に進展します。
ところがビデオ製作や人生を取り戻すことに没頭していた彼は、自分の人生を失っていきます。
彼の夢は海洋探索でした。
ルーシーを好きになった今、彼の夢は諦めてしまうほかありません。
それを立ち聞きしていたルーシーは自分が恋人の重荷になるなら別れることを決意します。
実は日記を書き溜めていましたが、日記を処分して彼のことは諦めようと決意するのです。
果たして二人がもう一度結ばれることはあるのでしょうか。
これが「50回目のファーストキス」のあらすじです。
みどころのポイント
自分の愛する人が記憶喪失になってしまった、これは昔から映画や小説などで語られてきた題材です。
「50回目のファーストキス」も記憶喪失ものになりますが、前向性健忘という珍しい記憶障害を題材にしています。
前向性健忘は短期記憶喪失障害とも呼ばれるもので、その名の通り短期間の記憶が失われてしまいます。
映画では自分の父親の誕生日の前日までの記憶はありますが、それ以降は眠ってしまうと記憶がリセットされます。
普通、記憶喪失ものといえば愛し合っていた二人の片方が事故にあって記憶が失われてしまったり、記憶喪失の人物が現れてその人の過去を探りながら恋人になる、というようなストーリーが多くありました。
そして、記憶喪失もののラストには記憶が取り戻されます。
しかし「50回目のファーストキス」は記憶が取り戻されることはありません。
ルーシーの記憶は失われたままです。
二人はどうやって愛を育てればいいのでしょうか。
この映画にはそんな重たいテーマがあります。
この映画を見ればどんな困難も愛する二人なら乗り越えられると感じられます。
そんな感動的な映画ですが、前半はとてもコミカルで笑いながらも鑑賞できる作りです。
ヘンリーを演じるアダム・サンドラーはコメディが得意な俳優で、毎回同じ女性を口説くというシーンを魅力的に演じています。
ヒロインのルーシー役のドリュー・バリモアは知的さを感じさせる女優です。
ルーシー役をときにコミカルに、ときには感動的に演じました。
舞台がハワイなので美しい海や豊かな緑も映されます。
二人が出会うカフェはビンテージ風のカフェで、とてもロマンティックなものです。
ルーシーとヘンリーがここでワッフルを作るシーンは、二人の愛情が伝わってきてとてもいいシーンになっています。
ちなみにヘンリーの働いている水族館は実在するもので、映画が気に入ったら実際に訪れることもできるでしょう。
「50回目のファーストキス」はアメリカで大ヒットし、日本でもヒットしました。
特に日本での反響は高く、映画館は多くのカップル客で溢れかえったといいます。
さらには映画の日本でのリメイク化が進んでおり、2018年に公開予定です。
どんな物語になるんでしょうか。
今から期待です。