【最高の人生の見つけ方】の作品情報(スタッフ・キャストなど)
「最高の人生の見つけ方」は2007年に公開されたアメリカ映画です。
日本では翌年の2008年に公開されました。
主演はジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンの二人です。
どちらもハリウッドを代表するベテラン俳優で豪華な共演が話題となりました。
監督はロブ・ライナーです。
1980年代から活躍している監督で、ドラマ性の高い映画や恋愛映画には定評があります。
音楽はマーク・シャイマンが務め、主題歌はジョン・メイヤーの「Say」です。
あらすじ解説
「最高の人生の見つけ方」は余命を宣告された二人の男が、やり残したことを実現するため、最高の人生を見つけるための冒険の旅に出ます。
ジャック・ニコルソンの演じるエドワード・コールは大金持ちの実業家です。
ただ4回の離婚経験があり、子どもは一人いますが音信不通です。
趣味はお金儲けとコーヒーを飲むこと。
もう一人の主人公カーター・チェンバーズはモーガン・フリーマンが演じます。
彼は真面目な自動車整備士です。
妻と3人の子どもがおり、趣味はクイズで、家庭は順風満帆です。
エドワードに比べて何も不満を抱えているようには見えません。
生まれも育ちも違う二人は、これまでお互いに接点のなかったものの、病院で出会うことで物語は始まります。
ある日、カーターは病院から自分が病気だと知らされ、入院することになります。
一方、エドワードも裁判中に血を吐いて倒れることで入院します。
二人が入院するのはエドワードの経営する病院です。
ここはエドワードの効率主義が徹底的に行き渡った病院で、二人は同じ部屋に入室します。
エドワードは自動車整備士のカーターをはじめは毛嫌いします。
ただ、頭の手術のときカーターの優しさに触れることで、二人は徐々に仲良くなりました。
ある日、カーターは「棺桶リスト」を作ります。
興味を覚えたエドワードは彼に何を書いているか訪ねますが、かたくなに教えません。
その日は二人が余命6ヶ月の宣告を受けた日です。
カーターはショックを受け、棺桶リストを捨ててしまいました。
エドワードはリストに目を通しましたが、何が書いてあるか分かりません。
彼に尋ねると渋々説明します。
棺桶リストとは自分が死ぬまでにやりたいことのリストでした。
エドワードは彼の慎ましい望みが書かれたリストを訂正します。
そこにはこんなことが書き足されていました。
まずはスカイダイビング、次にライオン狩りを楽しみます。
中国の万里の長城をバイクで疾走して、ピラミッドを見に行きます。
香港に行って泣くほど笑います。
世界一の美女からキスももらいましょう。
エベレストの登頂にもチャレンジし、壮大な景色を見て、見ず知らずの他人に親切にします。
気づけばやりたいことリストは10個になっていました。
二人はこのリストを叶えるために旅に出るのです。
みどころのポイント
「最高の人生の見つけ方」は原題が「The Backet List」といい、これはkick the bucket(バケツを蹴る)が元になっています。
アメリカで「バケツを蹴る」とは特殊なイディオムで「死」を意味します。
首吊り自殺をするときにバケツに足を置いて、それを蹴り飛ばすことからこの意味となりました。
主人公の二人は余命宣告を受けていっそのこと自殺でもしようか、という気持ちになりますが、それが映画のタイトルになっているわけです。
カーターは平穏な暮らしを楽しんでいるように見えて、実は不自由な人生を歩んでいたことに気付かされます。
強引なエドワードによって彼は旅に出ますが、あちこちで旅するうちに本当の自由を味わいました。
二人は親友のようになってお互いの人生のことを語り合います。
「最高の人生の見つけ方」の主人公たちは、定年間近のベテランたちです。
身体はまだまだ元気だけども、だんだん周りからリタイアを勧められたりする年齢です。
人生にやり残したことはないかと考え始める年齢でもあります。
映画は二人が余命宣告されるところから始まります。
残された時間はわずか半年、あまりにも短い時間です。
しかし二人はそうは考えません。
残された時間をいかに有意義に過ごすか、「棺桶リスト」を元にして精一杯楽しもうとします。
少子高齢化が進んでいる現在、高齢者の老後は議論されている最中です。
映画は若者たちの恋愛や成功を描く作品が多いですが、これからはベテランたちの映画が増えてくるかもしれません。
「最高の人生の見つけ方」はその意味で先駆的な作品です。
監督したのは名匠のロブ・ライナーですが、彼は子どもたちの冒険を描いて成功し、恋愛映画も得意としています。
そんな彼が晩年に作っているのが高齢者のドラマというのは時代を感じさせます。
ただ、「冒険」という監督が追求してきたテーマはこの映画にも見られます。
ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンの二人の演技も輝いており、充実した映画体験が約束されている作品です。
死は誰もが訪れるもので、死をどう迎えるかは人間の最大のテーマです。
これは普遍的なテーマなので高齢者だけでなく全ての年代で楽しめる作品だと言えるでしょう。