【ロミオマストダイ】の作品情報(スタッフ・キャストなど)
「ロミオ・マスト・ダイ」は2000年に制作されたアメリカ映画です。
監督はアンジェイ・バートコウィアクで、彼が手掛けているヒップホップ・カンフー三部作の第1作目です。
製作にはジョエル・シルバーがおり、彼は米国でも有数の制作者として知られます。
主演はジェット・リー(リー・リンチェイ)です。
香港映画に出演したスター俳優で、ロミオ・マスト・ダイは彼のハリウッド映画での初の主演作です。
共演には歌手のアリーヤが起用されました。
彼女の楽曲「トライ・アゲイン」は映画の主題歌になっています。
あらすじ解説
中国マフィアと黒人ギャングが抗争を繰り広げているカリフォルニア州オークランド。
この街にあるクラブで、遊んでいる中国系の男がいます。
彼はポーといい中国人組織のリーダー・チューの息子でした。
翌日、彼の遺体が発見されます。
リーダーの兄・ハン(主人公)はこの一報を刑務所で聞きます。
彼は元刑事でしたが父親の罪をかぶることで香港の刑務所にいました。
ニュースを聞くと彼は暴れだして懲罰房に入れられました。
ところが彼は驚異的な技で刑務所から脱獄します。
ハンは米国に渡りました。
道具を揃えて復讐のときを待ちます。
タクシーを盗んで運転しているとトリッシュという女性を乗せます。
彼女は黒人組織の娘で、弟殺しの重要な参考人でした。
主人公は弟殺しの犯人を探すために彼女に頼みます。
ハンとトリッシュは仲を深めていきますが、中国マフィアと黒人組織が衝突する事件が起こり、彼女の弟が殺されてしまいました。
悲しみに暮れるトリッシュですが、彼女の父もまた組織の裏切りにより殺害されます。
相次いで起こる殺人と弟の事件の真相を探るうちに、主人公は事件には何か裏があると気づいていきました。
父親と再会すると衝撃的な話が語られます。
黒人組織との対立のどさくさに紛れて弟は父自ら殺害させていたのでした。
いつまでも飲み歩いてトラブルの種だった弟は、組織の安定のために殺されたのです。
衝撃の事実を知って途方に暮れる主人公。
父親に拳銃を向けて彼を撃ちました。
父親を倒したことで組織から狙われる存在となり、主人公は父親の部下と戦うことになります。
最後の戦いは夜、炎に照らされた場所で行われました。
相手は卑劣な手段を使ってハンの腕を焼き、彼の手を封じます。
ハンは布で手をぐるぐる巻きにして応戦しました。
勝負は一進一退の攻防となり、ついに決着のときが訪れます。
敵の足技を交わして敵を叩きつけると、敵も最後の力を振り絞って飛びかかりました。
ハンはそれを上から制し、敵の足技を交わして、敵の脳天にキックを見舞います。
キックは首の骨から脊髄までの骨を粉砕して勝負を制します。
復讐は成し遂げられました。
傷を負ったハンにトリッシュがかけつけます。
二人は勝利を手にしてゆっくりと歩いていくのでした。
みどころのポイント
「ロミオ・マスト・ダイ」はジェット・リーがハリウッドに進出して初めて主演を務めた作品です。
ジェット・リーは中国の俳優ですが、その時代はリー・リンチェイと呼ばれていました。
ジェット・リーは中国の武術大会で優勝するほどの腕前で、本格的なアクション俳優として活躍します。
米国では1998年の映画に出演したことにより、ハリウッドに進出します。
ロミオ・マスト・ダイは2500万ドルで制作され、アメリカでは約2倍の5500万ドルを稼ぎ出します。
世界的な最終興行収入は91000万ドルで1億ドルに近い興行収入をあげました。
ジェット・リーは、ロミオ・マスト・ダイの成功で世界的にも有名なアクション俳優となりました。
ロミオ・マスト・ダイでも彼のアクションは存分に発揮されています。
しかも、本作では当時最先端の技術だったワイヤーアクションを取り入れています。
ワイヤーアクションとはワイヤーロープを俳優に取り付けることで、普通では実現できない空中でのアクションや回転などが可能になります。
ちなみにプロデューサーのジョエル・シルバーはハリウッドでいち早くワイヤーアクションを取り入れた人です。
ただでさえ超人的な身体能力を持つジェット・リーにワイヤーアクションが加わっているので、戦闘シーンは非常に素晴らしいものになりました。
空中で蹴りが交差し、キックやパンチで敵が吹き飛びます。
映像的には遊びも多く、最後の闘いは一撃が入るとレントゲンのように骨が砕ける描写が入って思わずニヤリとしてしまいます。
ロミオ・マスト・ダイは香港映画のテイストを取り入れながら、ハリウッド映画として新たな要素も加わりました。
香港のカンフー映画といえば達人同士の戦いが物語の主軸となります。
この映画は格闘だけでなくカーチェイスや銃撃戦、マフィアの抗争などいくつかの要素のアクションも楽しめるものになりました。
アクションだけでなくストーリーも重視されています。
物語は弟の死の謎を解くというのが主軸にあって、ストーリーが進むと思わぬ真相が語られます。
しかもこの真相にはニューヨークという街の問題と家族の愛憎が絡んでおり、深みのあるストーリーが展開されます。