【カンフーハッスル】の作品情報(スタッフ・キャストなど)
カンフーハッスルは2004年に公開された香港中国映画です。
日本では2005年の元日に公開されました。
監督・主演・脚本はチャウ・シンチーです。
香港映画では新時代の監督と見なされている監督で、数々のヒット作をプロデュースしてきました。
本作も世界中で大ヒットを記録します。
米国では大ヒットを記録し、2005年に公開された外国語作品では第一位を記録しました。
2000万ドルで制作され、世界の最終興行収入は約1億ドルです。
あらすじ解説
とある街、警察を脅して妻を取り返しに来たギャングのボス。
帰ろうとしていると「斧頭会」という別のギャングに襲われます。
襲われていても仲間たちは助けにはきません。
裏切られていたのです。
斧頭会はボスを倒すことで街を仕切ることに成功しました。
場所は変わって貧困地区の砦、大家をしている楊過は若い子からキスをもらい、幸せな朝を迎えています。
妻の小龍女は怒っています。
水が出ないと不満を言っている住人がいたからです。
妻は怒り出すと手がつけられません。
楊過が首にキスマークを付けているのを発見してさらに怒り出します。
ギャングに憧れるシン(チャウ・シンチー)はその大家の所にやってきました。
まずは散髪屋に因縁をつけて金を奪おうとしています。
騒ぎを聞きつけた住人たちがシンを囲みます。
斧頭会の名前が出ると、シンはその名前がなんだと粋がって答えます。
ただ、住人たちは一向に怯える様子を見せません。
そこでシンは仲間を呼ぶことにしました。
連絡用の花火を打ち上げると本物の組員に直撃します。
花火を散髪屋の仕業と思った組員は散髪屋とにらみ合います。
しかし散髪屋は目にも留まらぬ速さで組員を撃退してしまうのです。
ところが組員の仲間が応援を呼ぶと、住人の一人が人質に捉えられてしまいました。
このピンチに3人が立ち上がります。
立ち上がったのは仕立て屋、人足、粥麺屋の3人で彼らはカンフーの達人です。
3人はあっという間に敵を倒します。
貧困地区につかの間の平和がもたらされました。
シンは散髪屋の騒動で怪我を負っていましたが、すぐに回復します。
持っていた如来神掌の教科書を読んで修行を積むことにします。
修行していると喋れない女の子が虐められている現場に出くわし、助けようとしますが返り討ちにあいました。
その子とはアイスクリーム店で偶然再会します。
シンと相棒はもう一度貧困地区に行くと、大家の妻に見つかってまた追いかけられました。
必死に逃げていると大家の妻が看板に頭をぶつけることで逃げ切ります。
一方その頃、面子を潰された斧頭会はなんとか復讐計画を練っていました。
貧困地区にはカンフーの達人がいます。
そこで彼らもカンフーの使い手に頼むことにしました。
いよいよ戦いが始まろうとしています。
みどころのポイント
「カンフーハッスル」は本国中国だけでなく世界中で大ヒットを記録した作品です。
何がそんなに受けたのでしょうか。
まずは中国の得意作であるカンフー(クンフー)映画ということが挙げられます。
中国映画といえばカンフー映画です。
チャウ・シンチーは名だたるカンフー映画のスターのなかでは新しく登場してきた存在で、これまでの中国映画の印象を更新しました。
まず主人公ははじめから達人として登場するわけではありません。
カンフーハッスルでも主人公はどちらかと言うと情けない存在からスタートします。
ギャングに憧れているシン(主人公)はケンカをふっかけては倒されてしまいます。
そこで主人公は修行をしていくわけですが、これは初めから達人として登場する昔の香港映画とは一線を画しています。
主人公が徐々に強くなっていく過程があるから、視聴者は感情移入して見ることができます。
また、シンの性格が初めから完成していないことも、彼の成長が見られることで物語に奥行きが加わっています。
もう一つの特徴がワイヤーアクションです。
ワイヤーアクションとは体にワイヤーをくくりつけて行うアクションのことです。
ワイヤーアクションを取り入れることで、通常では実現できない動きを表現できます。
例えば、高くジャンプしたり、空中でアクションが可能になったり、何回も回転できたりします。
これまでの香港映画は早回しなどはありましたが、基本的には身体能力に頼っていました。
しかしワイヤーアクションを取り入れることでカンフーの表現の幅が大きく広がりました。
しかもチャウ・シンチーの映画は、ギャグ的な映像表現にこのアクションが大きく貢献しているので、とてもおもしろい表現が実現されています。
アクション監督はハリウッドでも活躍するユエン・ウーピンです。
最後のカンフー対決は必見の出来になっています。
ストーリーにもひねりがあります。
強い人間が出て、倒すとさらに強い人間が、という展開は王道で誰にでも親しめる展開になっているででしょう。
様々な達人たちが登場しますが、まさかこの人物がという展開にもなっています。
伏線が冒頭から散りばめてあるので、ミステリ的な楽しみ方もできる作品です。