【猟奇的な彼女】の作品情報（スタッフ・キャストなど）
「猟奇的な彼女」は2001年に公開された韓国のロマンティックコメディ映画です。
監督はクァク・ジェヨンで脚本も担当しました。
主な出演者はチャンジヒョンとチャ・テヒョンです。
「猟奇的な彼女」の原作は小説ですが、元々はインターネットに投稿された小説が元になっています。
強引な女性に振り回される男性を主人公にした小説は人気になり、韓国で10万部を超えるベストセラーになりました。
映画化されるとこちらも韓国映画の記録を超えるヒットになります。
あらすじ解説
主人公のキョヌは兵役が終わってからナンパを繰り返していました。
ある夜の駅で酔っ払って轢かれそうになった女性を助けます。
そのまま二人で列車に乗り込むと、二人を見ていたおじさんから責任を持って介抱するように言われます。
これがきっかけになりキョヌは女性と付き合うようになりました。
彼女の夢はシナリオライターです。
性格は凶暴そのもので手に負えません。
彼女の本心もわからないのですが、キョヌは彼女に惹かれていきます。
家を訪問すると彼は恋人から両親に紹介されました。
父親は酔っぱらいで、母親は娘を別の男性と見合いさせたがっていると知ります。
娘の見合いの日は決まっているようです。
見合いの日、彼は呼び出されました。
キョヌはなぜか彼女と付き合うときの心得を説明します。
これで恋人との楽しい日も終わりだと思って、手紙をしたためました。
二人で山登りをしたときに手紙をタイムカプセルに入れ、木の根元に埋めました。
2年後に会って、一緒にタイムカプセルを掘ろうといって別れます。
キョヌは別れてからある決心をしていました。
それは彼女とまた会うまでにいい男になっていようという決心です。
また、二人の出会いから別れまでをネットに書き続けることも行いました。
これが意外と反響を呼び、物語は映画化されることになります。
そして2年後、約束の日が来ます。
タイムカプセルを埋めたところで待っていると、彼女は現れませんでした。
男は一人でタイムカプセルを開けることにします。
女の手紙には恋人を失っていたこと、恋人の面影を彼にかさねていたことを知ります。
諦めきれない男は木の下に何度か訪れますが、会うことはできません。
1年後、女が木の根元にやってきました。
そこには老人がおり、彼になぜ今まで来ることができなかったのか説明します。
最後に運命の人ならいつか出会えるはずというと、老人は意味深なことを告げて去りました。
女はキョヌに電話しますが、番号が変わっています。
途方にくれているところ、母親から紹介したい人がいると言われました。
なんとそこにはキョヌがいました。
彼は死んだ恋人のいとこだったのです。
二人は見つめ合い、手を握りあって運命の物語はエンディングを迎えます。
みどころのポイント
「猟奇的な彼女」は日本では韓国に遅れて2年後の2003年に公開されます。
公開されるとすぐに人気作となり、韓国映画としては異例の大ヒットを記録しました。
この映画といくつかの韓国映画やドラマが火付け役となって「韓流ブーム」は巻き起こることになりました。
その意味でこの作品は記念碑的な作品です。
ブームになった要因として猟奇的な女性に振り回されるという展開が支持を集めました。
彼女は男を振り回してばかりです。
ときには鉄拳も飛んできます。
ただ、彼女の仕草や性格はとても可愛らしいもので、鉄拳が飛んできながら観客は彼女を好きになってしまいます。
しかも彼女の名前は最後まで明かされません。
ミステリアスな存在というところも受けた理由です。
男性の観客は彼女に魅了され、女性の観客は彼女の凛としたところや元気なところを支持しました。
前半のストーリーはかなりコメディチックです。
彼女に振り回される様が何回もでてきます。
映画は後半になるとラブストーリーが前面に出てくることが特徴です。
お見合いをして以降は、二人の雲行きが怪しくなっていき、ついに二人は別れてしまいます。
ここから映画は意外な展開を見せます。
まずはキョヌが馴れ初めや別れを書いた小説をネットで発表するところ。
これは原作小説がネットに投稿されたことと一致します。
さらに小説は話題を呼んで映画化されるわけですが、ここも一致します。
まるで映画は現実をなぞるように展開するわけですが、これは原作小説が発表されたときに、これは実話ではないかという論争が起こったことを思わせる展開です。
フィクションなんですが、まるで現実に起きたようなリアルが物語の魅力を支えています。
映画はクライマックスにかけて、非常に純粋なラブストーリーに様変わりします。
運命の恋、別れた二人、意外な偶然などが詰まったラストは、多くの観客の涙を誘いました。
韓流映画は多くの女性から支持されましたが、しっかりと女性客を楽しませるストーリーになっており、これぞ韓流映画といった趣です。
「猟奇的な彼女」以降、韓国の映画は多く紹介されましたが、「猟奇的な彼女」はかなりの人気を誇る名作として位置づけられています。
