【マーベリック】の作品情報(スタッフ・キャストなど)
「マーベリック」は1994年のアメリカ映画です。
もともとはテレビドラマ「マーベリック」の映画化作品であり、一攫千金を狙う詐欺師と保安官、そしてギャンブラーの活躍を描く、コメディドラマでした。
映画の監督を務めたのはリチャード・ドナーです。
主演はメル・ギブソンで、共演にはジョディ・フォスターやジェームズ・コバーン、ジェームズ・ガーナーなどがいます。
そして、脚本は名脚本家のウィリアム・ゴールドマンです。
あらすじ解説
映画の舞台は19世紀のアメリカ西部、賭博師のマーヴェリック(メル・ギブソン)は史上最大規模のポーカー大会に出場しようと、参加費用の2万5000ドルを集めていました。
大会が開かれるのは4日後です。
クリスタルリヴァーという街を訪れると、そこで謎の美女ギャンブラー、アナベルと出会います。
マーヴェリックは友人に借金を頼みますが、お金を借りることはできませんでした。
その街では保安官のゼイン・クーパーとも知り合います。
これで主人公とアナベル、クーパーの3人でポーカー大会を目指すことになりました。
彼ら3人のあとを追う人間がいます。
街で主人公とトラブルのあったエンジェルです。
3人は駅馬車で向かいますが、運転手が途中で死亡し、駅馬車は暴走します。
主人公の活躍により断崖絶壁の一歩手前で停車しました。
一行は今度はインディアンに襲われた幌馬車部隊に遭遇しますが、一難去ってまた一難、実は犯人たちでした。
マーヴェリックとクーパーは銃撃戦を制し、彼らを倒します。
そうすると本物のインディアンたちが現れました。
リーダーのジョセフは主人公の友人です。
主人公はアナベルやクーパーが付いてくるのが不満でした。
そこでインディアンを利用して芝居を打つと、二人と別れることに成功します。
ジョセフと共に抜け出すと、次はロシアの貴族に会い、彼を騙すことで大金をせしめます。
ところが追いかけてきたエンジェルに捕まり、縛り首にさせられそうになります。
運良く無事だった主人公は、大会会場の船・ローレンベル号に向かいます。
ここで参加資金が2000ドル少ないことに気づくと、また通りかかったロシアの貴族を騙してお金を巻き上げました。
ローレンベル号に乗ると、ポーカー大会の開始が告げられます。
船にいるのは大会主催者の提督のほかに、アナベルやクーパー、そしてエンジェルもいました。
マーヴェリックは大会を勝ち進み、優勝決定戦にも勝利します。
大会賞金の50万ドルを獲得しますが、監視していたクーパーが現れ、お金を持ち逃げしました。
クーパーが逃げ込んだ先は提督のもとです。
そう、二人ははじめからグルだったのです。
50万ドルの行方はどうなるのでしょうか、以上があらすじです。
みどころのポイント
「マーヴェリック」は1994年公開ですから、今から20年以上前の作品です。
主演のメル・ギブソンは当時36歳で、共演のジョディ・フォスターは29歳です。
今ではふたりとも壮年の人物を演じることが増えていますが、このときは若々しさを感じます。
二人の若かりし頃の姿と演技が見られるのは、この映画の魅力でしょう。
監督はリチャード・ドナーですが、彼はアクション映画やコメディ映画を得意とする監督です。
1960年代から活躍しており、メル・ギブソンの主演映画も数作撮っています。
リチャード・ドナーとメル・ギブソンは盟友のような存在です。
リチャード・ドナーの特質はこの映画で良く出ており、小気味いいコメディタッチの映画にアクションシーンが随所に挟まれています。
さて、この映画の最大のみどころは騙し合いです。
登場人物の設定は非常におもしろく、主人公は一攫千金を狙うポーカープレイヤー、ヒロインは謎の詐欺師、同行する怪しい保安官など一筋縄ではいかない人物が登場します。
彼らは奇妙な縁から一緒に旅を続けますが、お互いにまったく信頼はありません。
マーヴェリックは早く二人から逃走したいですし、残りの二人は何を考えているか分かりません。
そんな状態で旅がうまくいくわけがなく、お互いがお互いを騙し合います。
それがコメディタッチで描かれているので楽しく鑑賞できるでしょう。
ポーカー大会ではマーヴェリックが優勝しますが、保安官に裏切られてお金を持ち逃げされます。
そこで提督がグルだったと明かされるのですが、驚くのはまだ早く、ここから逆転に次ぐ逆転が始まります。
物語には伏線が散りばめてあって、注意深く見ているとさらに楽しめるストーリーです。
映画のラストにはすっきりとする落ちが待っているので、スカッとしたい人やミステリーが好きな人にはおすすめの映画です。
「マーベリック」はアメリカだけで1億ドルの興行収入をあげ、世界の最終興行収入は約1億8000万ドルでした。
日本では半年遅れで公開され、こちらでもヒットします。
当時は公開されてからもテレビ放映されるなど人気を集めた作品です。
批評家からの評価も高く、リチャード・ドナーの作品のなかでも長く愛されています。